内容説明
太陽系の誕生から現在まで、その理解の歴史と最新の姿とは。金星、火星、土星、海王星などの惑星は実際にどんなところか。オシリス・レックスに参加する著者が太陽系をめぐる冒険の旅へと導く。すごく読みやすく、ちょっと専門的で、かなり新しいところまで解説。
目次
主な惑星と衛星のリスト
イントロダクション
第1章 朽ち果てた建物
第2章 流れの中の岩
第3章 システムの中のシステム
第4章 奇妙な場所と小さなもの
第5章 ペブルと巨大衝突
第6章 勝ち残ったもの
第7章 10億の地球
結びとして
エピローグ
著者等紹介
アスフォーグ,エリック[アスフォーグ,エリック] [Asphaug,Erik]
アリゾナ大学の惑星科学教授であり、トゥーソンにある世界的に名高い月惑星研究所の一員。NASAのガリレオ、エルクロスミッションや、現在飛行中のオシリス・レックスミッションのチームの一員。彗星や小惑星の地質学に関する画期的な研究でアメリカ天文学会から名誉ある惑星科学部門でのハロルド・C・ユーリー賞を受賞した。過去20年間、惑星や月を形成した巨大衝突とその多様性を理解しようと研究してきた。家族とともにアリゾナ在住
熊谷玲美[クマガイレミ]
翻訳家。東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻修士課程修了。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サワークリーム
15
壮大な旅行を終えたような充実感。快適な宇宙船で太陽系の彼方を巡る旅。船内のスクリーンでは、最新の説に基づく星々の形成にまつわる映像も見ることができる。生まれて間もない太陽系から原始の惑星が誕生する様は、激しいエネルギーに満ちていた。月形成における物語は特に興味深い。今夜は晴れ。美しい月を眺めながら、未来に思いを馳せよう。恵み豊かな星に生まれた奇跡に心が震える。2021/03/10
スプリント
12
太陽系をめぐる知の冒険です。 内容は少し難しいのですが想像を超える世界の解説に ワクワク感が止まりません。2021/12/31
tetsubun1000mg
9
タイトルからSFか地球史の考察の本と思って選ぶが、冒頭から宇宙全体の歴史から始まる。 宇宙は誕生してから140億年になるだとか、宇宙には太陽の様な恒星は1,000億個存在する、宇宙は誕生以来膨張を続けていて恒星は段々と離れていっているなど。 内容は宇宙だけでなくニュートン、アルキメデス、ガリレオなど歴史上の人物から哲学者やギリシャ神話にまで及ぶ。 欧米の理系の研究者は歴史や哲学の知識が半端ない。 終盤に月のなって誕生、生成の考察が出てきて地球に別の惑星が衝突して内部のマントルなどと一緒に分離したとの考察。2021/02/21
yooou
8
☆☆☆★★ 宇宙史、太陽系史、地球史そして科学史と複数の時間軸を行ったり来たりする文脈はついていくのが大変。木星土星は周回軌道を何度か変えているという話を深堀して欲しかったのだけど、そもそもまだ実はそのプロセスは不明な点が多いのだそうで残念。2023/01/11
パパ
2
地球と小惑星が衝突して、月が誕生したと言うジャイアントインパクト仮説が有力であると認識していた。近年では、地球を回る2つの小天体が衝突して、月が誕生したと言う仮説が有力になっているらしい。 本書は太陽系の最新の研究成果をエッセイ風に叙述した読み物になっている。 21世紀に入って、系外惑星が多数発見され、惑星系に関する研究が進んでいる。土星や木星の衛星の成り立ちを研究することで、特殊な衛星である月と言う見方から、一般的な惑星の成り立ちから見る月と言う客観的な研究手法にたどり着いたようだ。2024/01/13