内容説明
光秀・秀吉ら家臣を柔軟に統率、天皇・将軍との敬意ある友好関係、意外に“我慢強い”独裁者、戦略家・経済人としての「保守性」、宗教・芸術への深い理解…最新研究に基づく信長神話の「嘘」と「真実」!
目次
第1章 足利将軍家に対する信長の意外な「忠誠」―信長の「天下」像から考察する、幕府との関係性
第2章 実は「信頼関係」で結ばれていた信長と天皇―天皇を敬い、朝廷を温存しようとした「保守性」
第3章 家臣団統制に見る「独裁者信長」の虚像―明智光秀、荒木村重、佐久間信盛…「アメとムチ」の人心掌握
第4章 緩急自在の外交政策が示す信長の「我慢強さ」―天皇や将軍の権威も巧みに利用したタフネゴシエーター
第5章 「天才的」とは言い切れない信長の「兵法」―桶狭間は例外、最強だったわけではなかった軍事戦略
第6章 信長の作った城郭・城下町、その「幻想」と「現実」―信長がもたらしたとされる城郭建築の「革命」は真実か?
第7章 信長の経済政策の「革新」と「保守」―「経済システム大変動期」の端境の存在としての信長像
第8章 「無神論者」とはほど遠い、信長の信心深さ―仏教の堕落には怒りこそすれ、無宗教ではなかった
第9章 教養をうかがわせる趣味人・信長―能楽・茶の湯・相撲に鷹狩、西洋音楽からグルメまで
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
11
気鋭の在野歴史研究者と若手(歴史研究者としては)のコラボによる、最新の研究による織田信長像の提示である。「日本史史料研究会?」と、思ったくらい著者達が被っているなと思ったのはぬこ田だけかも知れぬ。さて、研究の深化により、織田信長とその権力の姿は更に変容を深めて行くだろう。巻末の主要参考文献リストも、その理解の深化を読者に齎すであろう。しかし、「僕の信長像が無くなったよう」と言う読者はどうするんだろう。自らの変化を楽しめるかそうでないかで、大きくこの後の読書生活が変わってしまうと思う。2020/03/05
onepei
4
まだまだがんばれ歴史学2020/04/11