内容説明
魔性の女が引き起こす艶美なる残酷劇!ミステリ名作セレクション。
著者等紹介
横溝正史[ヨコミゾセイシ]
1902(明治35)年生まれ、1981(昭和56)年没。大正期より執筆活動を始め、伝説の雑誌「新青年」編集長として活躍。戦後まもなく『本陣殺人事件』『蝶々殺人事件』という傑作長篇を発表、前者で第1回探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞する。以後名探偵・金田一耕助を主人公とする名作群で、探偵小説界の第一人者としての地位を不動のものに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
68
横溝正史の非名探偵シリーズ四巻目。先の巻同様、怪奇あり活劇あり諧謔あり憂愁ありと多彩な内容となっている。「妖説血屋敷」や「舌」「誘蛾燈」の薄気味悪さが個人的には好きだが、それを読んだ後で戯作風なコント「身替り花婿」を読むと著者の引き出しの多さに驚かされる。あと「鬼火」のアーキタイプも収録されているけど、なぜこの部分だけ別になっているんだろうか。ただどの作品もロマン溢れる造りとなっていて、このロマンティズムが戦後に本格の骨子と結びついて大輪の花を咲かせる事になるのかと思うと、どの話も愛おしく感じるなあ。2019/01/01
keroppi
54
最後に収録されている「湖泥」を読んでいて驚いた、あれ、これ、「鬼火」じゃないか。「鬼火」の後半が「湖泥」として発表されていたということだ。「鬼火」は、何度も書き直されていたということは、このコレクションの第2巻で知ったし、オリジナルと合わせて読んでいたが、またここで出てくるとは。横溝正史のこの作品への並々ならぬ想いを感じた。このコレクションの編者、日下三蔵氏の想いも。そして、この巻も、横溝正史のディープな世界を知ることが出来て楽しめた。誘蛾燈に誘われる蛾のように、横溝正史の妖しい燈に惹かれてしまう。2018/06/05
ぐうぐう
24
『横溝正史ミステリ短篇コレクション』は、この第四巻から後半となる。編者の日下三蔵曰く「第三巻までをA面とすれば、第四巻以降はB面に当たる」らしい。四巻には再び戦前の作品が収録され、その内容は本格もあるものの、怪奇色の強いものや、ユーモアを感じさせるもの、活劇っぽいものなど、本格推理の旗手の一人となって戦後の探偵小説を牽引した横溝正史になる前の、なんともバラエティに富んだラインナップで、そういう意味では確かに裏面、マニアックな作品が揃っている。(つづく)2018/05/29
まさ☆( ^ω^ )♬
10
このシリーズもいよいよ後半戦の第4巻まで来ました。昭和11年〜15年頃に発表された17篇の作品群は、バラエティ豊かでどれも非常に面白かった。巻末付録の著者エッセイ?も良かったです。第5巻も読むのが楽しみです。2021/05/10
山猫
10
角川文庫版で横溝ファンとなった者も今や悠々自適なはず。こういうものを読み直すにはいい時期だ。2018/11/11