出版社内容情報
婦人雑誌、百貨店、モダンガールなど、大正文化を彩った諸事象の分析を通じて、1920年代の日本文化に新たな光を与える。
内容説明
モダニズムの繁栄か、ファシズムの前夜か。モダニティとセクシュアリティの矛盾を抱えながら社会全体が商品化されはじめる1920年代の文化的多面性を、近代日本の歴史的文脈のなかで捉えなおす。
目次
第1部 日常文化の新たな転回(日々の暮らしを庶民が書くこと―『ホトゝギス』募集日記をめぐって;商品としてのジェンダーと道徳―一九二〇年代大衆女性雑誌より;「平等」と「差異」を超えて―大正初期の雑誌『新真婦人』にみられる「母性」の構築;民芸の発見―一九二〇年代の階層と趣味)
第2部 都市の先端的日常(「近代」を売り出す―戦間期の百貨店、消費文化そして新中間層;帝都とモダンガール―両大戦間期における“近代”と“性”の空間政治;消費のネットワーク―通勤電車の成立と社会の商品化)
著者等紹介
バーバラ・佐藤[バーバラサトウ]
成蹊大学文学部教授。近代日本史、女性史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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take0
4
2007年刊。1920年代の社会的・文化的事象を論じた7編。少々地味めな論考。「日々の暮らしを庶民が書くこと 『ホトゝギス』募集日記をめぐって」「商品としてのジェンダーと道徳 一九二〇年代大衆女性雑誌より」「『平等』と『差異』を超えて 大正初期の雑誌『新真婦人』に見られる『母性』の構築」「民芸の発見 一九二〇年代の階層と趣味」「『近代』を売り出す 戦間期の百貨店、消費文化そして新中間層」「帝都とモダンガール 両大戦間期における<近代>と<性>の空間政治」「消費のネットワーク 通勤電車の成立と社会の商品化」2018/11/09
八八
4
1910年代から20年代、都市部を中心に大衆社会とその文化が花開き日本が消費社会へと変貌し始めた。資本主義社会が日本で進展していくなかで日本は「近代」「モダニティー」を経験していく。この書籍に収められている論文はその「モダニティー」の上に構築された現代まで続く「日常生活」について描く。個人的には百貨店とモダンガール、そして通勤電車の論文が実に興味深く読むことが出来た。理論を巧みに使いながら文化史や社会史を描写する執筆力はすごいの一言。2018/09/28
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