内容説明
著作集5・6二巻は、オノマトペ(=擬音語・擬態語)のさまざまな性質や史的推移を明らかにした論文やエッセイを収録。第五巻は三部から成る。1部は、『源氏物語』や『今昔物語』、狂言やコミックなど作品別・ジャンル別にとらえた時に顕著に現われるオノマトペの特色・機能を解明。研究のエキスをぎゅっと詰めこんだ二〇のコラム。2部は、語彙・語音構造・意味・語法などの面からオノマトペの史的推移を追究。男女の泣き方を表すオノマトペ、動物の声を写す擬音語、楽器の音を表す擬音語など、興味津々の史的推移が解き明かされる。3部は、「いちゃもん」「おべんちゃら」「どんぶり」「パチンコ」などオノマトペにルーツを持つと思われる言葉を対象に、その語史を追究。びっくりするような言葉のルーツが明らかに。
目次
1 オノマトペの種々相(音象徴語研究の必要性;古典の擬音語・擬態語―掛詞式の用法を中心に;擬音語から普通語へ ほか)
2 オノマトペの史的推移(動物の声を写す擬音語の史的推移;中古象徴詞の語音構造(清濁に問題のある語例を中心に;撥音・長音・促音に関する問題をふくむ語例を中心に)
浄瑠璃詞章の象徴詞―その変容 ほか)
3 「おべんちゃら」などの語史(いちゃもん;おじや;おべんちゃら ほか)