出版社内容情報
タマムシの翅はなぜ玉虫色に輝くのか.この素朴な疑問から出発した研究は,作業仮説を設定し一つ一つ検証することで,玉虫色を生み出す構造の発見へとつながった.しかし話はタマムシの翅だけにとどまらない.おのおのの生物がもつ感覚世界の存在を認めることの意味,NanoSuits法という画期的な観察技術の確立,自然に学ぶバイオミメティクス研究への展開と,タマムシを起点として大きく広がることになる.丹念に進められる科学研究の醍醐味を生き生きと描き出し,人間中心の世界の捉え方に警鐘を鳴らし,これからの科学のあり方,あるいは知のあり方までも考えさせる一冊である.
内容説明
タマムシの翅はなぜ玉虫色に輝くのか。素朴な疑問から出発した研究は、作業仮説一つ一つを丹念に検証し玉虫色を生み出す構造の発見へとつながった。しかし話はタマムシの翅だけにとどまらない。生物がもつ感覚世界の存在を認めることの意味、画期的な観察技術NanoSuit法の確立、バイオミメティクス研究へと大きく広がる。科学研究の醍醐味を生き生きと描き、人間中心の世界の捉え方に警鐘を鳴らし、科学のあり方、あるいは知のあり方までも考えさせる一冊。
目次
第1章 タマムシとの出会い
第2章 ヤマトタマムシがいた
第3章 タマムシの輝きの秘密
第4章 タマムシの鞘翅の構造
第5章 タマムシの色ってどんな色
第6章 タマムシの輝きのわけ―タマムシの種内コミュニケーション
第7章 生物の視覚―タマムシが見る
第8章 ヒトが見る光
第9章 タマムシたちには見える―ヒトが見えない光
第10章 NanoSuit法の発見―あたりをつける実験
第11章 バイオミメティクス―既存の学問を総合的に利用して自然の理解へ
第12章 タマムシに学ぶバイオミメティクス
第13章 マントの考え方:風土・文化そして蟲瞰学
著者等紹介
針山孝彦[ハリヤマタカヒコ]
1952年、東京都生まれ。東京都大田区、兵庫県宝塚市育ち。横浜市立大学卒業後、岡山大学臨海実験所で修士を取得、東北大学応用情報科学研究所助手、浜松医科大学医学部教授を経て、浜松医科大学光医学総合研究所特命研究教授。理学博士(九州大学)。専門はバイオミメティクス、視覚生理学、NanoSuitを用いた超微細構造観察、光生物学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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