内容説明
フィンは、おじいさんがきかせてくれたはなしをおもいだします。「ずうっとずうっととおくにな海とそらがであうばしょがあるんだよ」いっしょにみにいくやくそくをしていたおじいさんはもういません。じぶんのちからでそのふしぎなばしょをみつけるためふねをつくり、海にでたフィン。もしかしたなら、さがしていたことさえきづいていなかったものがみつかるかもしれません。―海のむこうには、クジラやクラゲがそらをまい、トリやおしろがうかんでいました―
著者等紹介
ファン,テリー[ファン,テリー] [Fan,Terry]
カナダ、トロントのオンタリオ・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインで造形を学ぶ。一日中、物語をつむいだり、幻想的な絵画や肖像画、版画を創作したりして過ごす。アメリカのイリノイ州生まれ、カナダのトロント在住
ファン,エリック[ファン,エリック] [Fan,Eric]
カナダ、トロント在住の画家、作家。ハワイ生まれのトロント育ち。トロントのオンタリオ・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインでイラストレーション、彫刻、映像を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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seacalf
91
表紙に一目惚れ。海のそばに暮らしているファン少年は今は亡きおじいさんが語ってくれた海と空が出会う場所を探すべく手作りの船で旅に出る。幼少期に読んだら、自分だったらこんな船に乗りたいなどと想像力が広がるだろうなあ。心惹かれる作風だと思ったら、既読の『夜のあいだに』の作者の2人。スケールの大きい幻想世界をこれでもかという程見せてくれる大盤振る舞いな展開で思わず見惚れてしまうのに、何故だかうまく感想が出てこない。胸にインパクトを残してくれたのは前作の方が上だったからかも。2021/08/31
とよぽん
72
海のそばで暮らす男の子フィン。おじいさんのことを思い出しながら、1人で舟を作り、海とそらがであうばしょを目指して旅に出る。途中で金の魚に出会って・・・。「ふねをだすにはさいこうの日でした。」西洋的なものと東洋的なものが混じった美しい絵、巨大なクジラの絵、フィン君と一緒に読者もそのばしょに連れて行ってくれる。2021/07/08
美紀ちゃん
62
夢オチ。本の島の本は名作が多め。そのページを1番じっくり見た。2021/05/10
k sato
59
これぞ、絵を見て楽しむ絵本だなぁ。少年フィンとおじいちゃんの約束は、海と空が出会う場所に船で一緒に行くこと。しかしフィンは、ひとり約束の地へ向かうのだった。私が知っている海と空がであう場所は、水平線でしかない。けれど、その先が実際どうなっているかは、想像する、あるいは一見しないと分からない。フィンが海と空が交わるところで見た光景は、超自然的で想像以上だった。巨大なクジラ、色んな形の船、海の生き物、満月に浮かび上がるおじいちゃんの笑顔。とても幻想的な世界があった。宮崎駿監督の雑想ノートのような世界観。2022/12/11
天の川
57
繊細で美しい絵本。おじいさんと行くはずだった空と海が出会う場所への船の旅。大きな金色の魚に導かれ、フィン少年が出会うさまざまな生き物の世界。お話はごくシンプルですが、想像が広がる、繊細だけれどスケールの大きな絵に見惚れました。フィン少年、おじいさん、お母さんは中国かベトナム系かしら?オリエンタルな香りも漂う絵本でした。2021/08/30