ヒトは食べられて進化した

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  • サイズ B6判/ページ数 356p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784759810820
  • NDC分類 489.9
  • Cコード C1045

出版社内容情報

人類の祖先は、勇敢かつ残虐な狩猟者だった。本書は、まことしやかに語られるこの神話の嘘を暴き、従来のイメージを180度くつがえす進化説を唱え、人類進化のシナリオを書き換える。人類最古の祖先は、肉食動物の餌食であった。「霊長類そして人間は、食べられることから逃れようとすることで進化してきたのだ」と

内容説明

トラ、ライオン、ヒョウ、ピューマ、クマ、オオカミ、ハイエナ、ヘビ、ワニ、ワシ…人類の祖先は数々の肉食動物に捕食されていた脆弱な生き物だった。多くの人がもち続ける「人類=狩猟者」のイメージを徹底的に打ち破り、新たな初期人類像を描きだす。

目次

第1章 ありふれた献立の一つ
第2章 「狩るヒト」の正体を暴く
第3章 誰が誰を食べているのか
第4章 ライオンにトラにクマ、なんてことだ!
第5章 狩りをするハイエナに腹をすかせたイヌ
第6章 ヘビにのみ込まれたときの心得
第7章 空からの恐怖
第8章 私たちは食べられるのをぼうっと待っているだけではなかった
第9章 気高い未開人か、血に飢えた野獣か
第10章 狩られるヒト

著者等紹介

ハート,ドナ[ハート,ドナ][Hart,Donna]
自然保護の専門家として長年活動する。現在は、ミズーリ大学セントルイス校の特待生プログラム・人類学科の教員

サスマン,ロバート・W.[サスマン,ロバートW.][Sussman,Robert W.]
ワシントン大学(セントルイス)の自然人類学教授。American Anthropologist誌の名誉編集委員。人類学や霊長類学に関する多くの論文や著書がある

伊藤伸子[イトウノブコ]
愛知県生まれ。1996年北海道大学大学院理学研究科博士課程前期修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

53
トラ、ヒョウ、ライオン、クマ、オオカミ、ワシ、ワニ、ヘビ、サメ…。古代から現代に至るまで、残念ながら我々は結構食べられてしまっているようです。紹介事例が生々しく背筋の凍る思い。全編を通して主流学説である『狩るヒト』への反駁ですが、西洋至上主義や男性優位等、研究者の信条や願望が反映されてしまう人類学の危うさも垣間見れて興味深かったです。2015/05/04

かんやん

32
動物に人が食べられる映画が好きなのは、私一人ではないだろう。サメ映画は夏の風物詩だし、「小津が、ヌーヴェルバーグが」とか偉そうにいっても、恐竜に人が食われるシーンに釘付けになってやしないか。根底にあるのは集合無意識(そんなもんない)ではなく、進化心理学で説明され得るのではないのか、というのが持論(という程のものでもない)。そんなわけで手にした本書は、科学的というより、思いがけず興味本位な内容でした。まあ、こちらも興味本位だったわけで。人が動物に食べられた具体例や、霊長類を食べる動物を羅列してゆく。2020/08/19

ヨクト

20
人類は誕生した時からその圧倒的知性で食物連鎖の頂点に君臨していたのだろうか。そんな訳ないだろう。でも、人類学が思ったよりも進んでいるわけではなく、霊長類の進化については不明な点が多いそうだ。そして多くの人類学者の中でも人類は狩る側であるという先入観で占められてしまっているそうだ。だが、実際の狩られる側の人類に着目したのが本書。ヒョウやクマ、蛇、ハイエナ、猛禽類、それはもう沢山の脅威に脅かされていたんだ。食物連鎖の中で必死に生きていたんだ。前半が捕食者の考察、後半が人類の考察の良書。2013/06/23

ショコラテ

17
現生人類の歯を見れば肉食でないのは一目瞭然。でも私の脳裏にも、子どもの頃に見た『人類の祖先が徒党を組んで槍でマンモスを狩る』図が焼き付いている。そんな『狩るヒト』説が広まっている現状に「ホントは狩られてたんじゃないの ?」と一石を投じるのが本書。『ヘビにのみ込まれたときの心得』章が好き。『脚はのまれるままにしておく』には笑った。いや無理だからそれ。驚いたのは、人が見晴らしのいい景色を見て喜びを感じる理由が、捕食者のいち早い発見が起源だったということ。キラーエイプ説は男性の言い訳にしか聞こえないが。2018/06/13

手押し戦車

15
捕食者の行動に対抗し防御機能が被食者側で進化すると環境下では個体数に影響は受けない。人類は捕食されることにより失敗経験を活かし、群れを作り多くの情報を共有し発声により言語、二足歩行、脳の複雑化による知恵で積極的防御行動として捕食者と対抗して来た。更に積極的防御行動が時代と共に人間をあたかも頂点へ持って行ったという錯覚を起こしている。捕食は進化の一歩であり、犠牲から学び知恵をつける始まりでもある。経験、失敗を知識にして実践しメッセンジャーとして広く伝える大事さ。人は失敗から学び活かせる事が出来る。2014/05/07

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