小説を深く読む―ぼくの読書遍歴

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  • サイズ B40判/ページ数 212p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784759316124
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

小説というものがあったから、ぼくは小説家になった。芥川賞作家が自身の人生を振り返りながら、名作小説について語る読書エッセイ。

目次

第1章 「名作」の奥深さに触れる―『小僧の神様』から『友情』へ(本をよく読む子どもだった;世界文学に親しむ ほか)
第2章 幻想的な美の世界を楽しむ―『伊豆の踊子』から『春琴抄』へ(清水トンネルは「どこでもドア」なのだ;着ぐるみのなかには生身の人間がひそんでいる ほか)
第3章 超難解な小説へのいざない―『檸檬』から『死霊』へ(梶井基次郎の顔と文体;目の眩むような『檸檬』の魅力 ほか)
第4章 現代文学の新たな潮流―『万延元年のフットボール』から『岬』へ(大江健三郎の難解さ;世界で初めての構造主義小説 ほか)

著者等紹介

三田誠広[ミタマサヒロ]
1948年大阪生まれ。作家。武蔵野大学教授、日本文藝家協会副理事長。早稲田大学文学部卒。66年に『Mの世界』でデビュー。77年、『僕って何』で芥川賞受賞。小説、エッセイ、評論で幅広い活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

もりやまたけよし

35
小説に対する期待とかスタンスをわかりやすく教えていただいた。小説は一種の娯楽として捉えると納得できるという事か。逆にいうと何故つまらないかの理由が分かってスッキリ出来ました。2019/02/13

イノウエフスキー

8
ツルゲーネフ「はつ恋」志賀直哉「小僧の神様」「城の崎にて」「和解」「暗夜行路」梶井基次郎「交尾」「闇の絵巻」「檸檬」川端「雪国」「伊豆の踊子」谷崎「春琴抄」 埴谷雄高「死霊」「洞窟」「虚空」 一度読んだ作品や未読の作品など、この本を読んでからまた読みたくなること間違いなし。深読み本て、だいたい書いてあることも難解なんだけど、三田先生のこの本は難解じゃないし、エッセイのように簡潔に書いてあるので僕でも理解しやすい良い本でした。2019/01/22

akane

6
あまりに面白くて一気読み。クロード・レヴィ=ストロースの「構造」の概念には驚いた。俯瞰的に何世代もの人生を考察すれば、人は同じことを繰り返していることに気づくという。著者は『源氏物語』を例にあげていたが、私は有吉佐和子の『鬼怒川』を思い出した。三十年も前に初読みしたこの小説は今も鮮明に話を思い出すことができる。三世代にわたって男たちがある不毛なことを執拗に繰り返す。その奇妙さが強烈に印象に残った。今思うと、なるほどあれが「構造」というものかと合点がいった。「深い小説には『構造』が秘められている」とのこと。2020/10/15

雛橋

6
なんだか読ませる本だった。引用含めて、行きつ戻りつしていたけど、どんどん読んでいった。大学の講義もしているとのことだったけど、その過程で内容がブラッシュアップされているのか。語ることに秀でている印象。しかし結局のところ深く読む為には、読者の知識、経験も必要不可欠。三田さんの読書経験から、どう深く読むのか導かれるけど、じゃあ一人で 読んでさてどうなるか?2019/02/28

ユカ

5
自伝+評論のような本。信頼できる人というイメージを持った。みんなが暑がってるバスの窓を開けた浜ちゃんみたいな爽やかさ。だって暑いでしょ?ぼくだけじゃないでしょ?あと自分を低くしないところ。自信があるところ。かっこいい。構造主義の話も面白かった。2020/12/30

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