目次
第1章 楽戸の源流(楽戸の起源;隋・唐代の楽戸;宋・遼・金代の楽戸 ほか)
第2章 楽戸の生き方と文化のあり方(楽戸の管理;楽戸の信仰;楽戸の生活様式 ほか)
第3章 楽戸の中国伝統音楽文化に対する貢献(輪値・輪訓制:中国伝統音楽の主流が伝承されている場所;楽戸と鼓吹楽;楽戸と宗教音楽の関係 ほか)
著者等紹介
項陽[コウヨウ]
1956年生まれ。山東師範大学(本科)、厦門大学(修士)、中央音楽学院(博士)、中国芸術研究院音楽研究所研究員として就学する。主要な学術分野は中国音楽史学、中国伝統音楽文化。多くの国家・地方級の課題を主宰・参与している。常に民間に入って豊富な実地の考察と経験をもつ。2003年、中国芸術研究院研究生院から博士研究生の指導のため、教授として招かれた
好並隆司[ヨシナミタカシ]
1929年京都市に生まれる。岡山大学法文学部卒業の後、広島大学大学院博士課程修了。文学博士。岡山大学文学部講師を経て、同文学部教授。文学部部長。付属図書館長。放送大学岡山センター所長。別府大学大学院客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水紗枝荒葉
0
聖なるものは賤なるものに通ずる。音楽は貴族・士大夫の嗜みである一方、それを専門の職業とするものは世界各地で賤視されてきた。中国では4-6世紀の北魏において「楽戸」「楽籍」制度が確立し、刑事犯罪者の家族・戦争捕虜・政治犯罪者が楽人に押し込められる。本書は儒教的礼楽制度の暗部とも言える賤民としての楽人を論じる。限界を指摘すると、差別が現在にも残っているという問題意識のせいか賤民でない楽人に関する記述がほぼない。また殷代まで遡ると楽人は聖なる賢人であったはずだから、そこから説き起こした楽人論も可能だろう。2024/12/04