内容説明
関連性理論・言語行為理論・グライス理論・新グライス派・認知言語学という五つの語用論理論にわたって、その特徴を適切に記述し、相互の差異を明らかにし、そのうちのあるものについては鋭い批判を加えている。語用論の入門書にとっても、専門家にとっても、自分の研究を進める上での至上のガイドラインである。その語り口は平易であり、処々に散りばめられたコラムは笑いを誘う。
目次
序論 語用論とはなんだろう(意味論と語用論;意味研究小史)
第1章 関連性理論(真理条件的意味論からの決別;意味確定度不十分性のテーゼ;語用論過程;関連性;モジュール;語用論過程モジュール性)
第2章 言語行為理論・グライス理論・新グライス派(最初の本格的語用論・言語行為理論;グライス理論;グライス理論をどう評価するか;新グライス派)
第3章 認知言語学(言語の“独自性”の否定;言語研究は認知全般との関連において行わなければならぬ;認知言語学の「成果」;関連性理論によるモジュール説;認知言語学には「窓」がない)
著者等紹介
今井邦彦[イマイクニヒコ]
1934(昭和9)年生まれ。1957年東京大学英吉利文学科卒業。文学博士。東京都立大学教授、学習院大学教授を経て、東京都立大学名誉教授。専門は音声学、統語論、語用論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わんぱら
1
関連性理論の解説はとても分かりやすいしそれ自体として説得的だと思う(ただし生物学に踏み込むところは本当に根拠があるのか、また我々の実践を本当に説明できるのかハテナ。)。ほかの理論の紹介と批判は、それだけ見れば説得的に見えるものの、なんかやたら関連性理論の愛着が強すぎて、中立的でないように見える。 なお、26歳の女性研究者の顔を見て「その辺でアイスクリーム売りをしていてもおかしくない、失礼ながら平凡な小娘としか見えず」とか平気で本に書くのは言語道断。ありえない。2020/04/01
八乙女かもめ
1
認知言語学をボロクソ言ってることを知っていたので、ちゃんとした本かと思ったら、最初から真理条件的意味論の間違った解説/批判から始まり不安に。結局、他の部分もかなり微妙でした。良さそうな洋書の教科書を買い直します。2015/07/03