内容説明
語と句には、語は名前、句は陳述、という面白い違いがあると言われることがある。本書では「名付け」をキーワードに、形容詞と名詞から成る形を中心にしながら、非主要部の要素と主要部名詞を含む個々の表現が、どのような特徴をもつ場合に名前とみなされ得るのかを、英語と日本語の具体例を挙げながら、詳細に考察する。語による名付けは、英語のblackboardや日本語の「黒板」などの語彙化された語だけに限られるものではない。生産的な語形成のプロセスによって、新しい名前が次々と生み出されることが、本書を通して明らかになるだろう。
目次
第1章 はじめに―語による名付け
第2章 英語と日本語の「形容詞+名詞」形
第3章 英語の「形容詞+名詞」形と名付け
第4章 英語の「関係形容詞+名詞」形と名付け
第5章 分類的機能をもつ諸要素と名付け
第6章 語の生成される部門と名付け―関係形容詞と「名詞の」「~的」
第7章 まとめ
著者等紹介
島村礼子[シマムラレイコ]
1968年津田塾大学学芸学部英文学科卒業。1970年東京教育大学文学研究科英文学専攻(英語学)修士課程修了。同大学文学部助手、東北大学教養部専任講師、津田塾大学教授を経て、津田塾大学名誉教授。主な著書・論文:『英語の語形成とその生産性』(リーベル出版、1990)(1991年、語学教育研究所より市河賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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