出版社内容情報
夏の終り、ヨーコはある情事の記憶を思い返していた。
夕日を見ても動かなくなった心と肉体の老いに怯え、夜ごと六本木に繰り出し、性愛に身を委ねた日々。
とりわけ夢中になったのは、蒼い瞳を持つレインという男だった。
しかしヨーコは一つだけ、レインに大きな嘘をついていて……(「情事」)。ほか、主婦・柊子の日常を描いた「彼女の問題」、レインを示唆する「R」と出会う挑戦作「死者の声」、「情事」の元となった日記が掲載された「失恋日記」、計四作品を収録。
作家・森瑤子の真髄に迫るオリジナル短編集。
(解説・ジェーン・スー)
内容説明
夏の終り、ヨーコはある情事の記憶を思い返していた。夕日を見ても動かなくなった心と肉体の老いに怯え、夜ごと六本木に繰り出し、性愛に身を委ねた日々。とりわけ夢中になったのは、蒼い瞳を持つレインという男だった。しかしヨーコは一つだけ、レインに大きな嘘をついていて…(「情事」)。ほか、主婦・柊子の日常を描いた「彼女の問題」、レインを示唆する「R」と出会う挑戦作「死者の声」、「情事」の元となった日記が掲載された「失恋日記」、計四作品を収録。作家・森瑤子の真髄に迫るオリジナル短編集。
著者等紹介
森瑤子[モリヨウコ]
1940年静岡県生まれ。東京藝術大学器楽科卒。広告会社にてコピーライターとして活躍したのち、1978年「情事」で第二回すばる文学賞を受賞し、デビュー。男女の機微や人生の切なさを描いた鋭く繊細な筆致で人気を集める。芥川賞候補になった『誘惑』『傷』、直木賞候補になった『熱い風』ほか、著書は100冊を超える。小説のみならず、多数のエッセイや翻訳も手掛けた。1993年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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