出版社内容情報
大政奉還の後、鳥羽伏見の戦いに敗れはしたが、徳川慶喜は薩長への徹底抗戦を主張、幕軍は意気軒昂だった。
オランダで建造された軍艦〈開陽丸〉の艦将・榎本釜次郎武揚も「ここからが海軍の出番」と自負していた。しかしその夜、慶喜は開陽丸で江戸へ逃げてしまう。
失望した榎本は、副艦将・澤太郎左衛門、大坂城から持ち出した十八万両とともに開陽丸ごと脱走。
蝦夷地を開拓し旧徳川家臣の新天地とすべく、北へと向かう──。
無念の開陽丸と男たちの軌跡を描き切る、渾身の歴史小説。
内容説明
大政奉還の後、鳥羽伏見の戦いに敗れはしたが、徳川慶喜は薩長への徹底抗戦を主張、幕軍は意気軒昂だった。オランダで建造された軍艦“開陽丸”の艦将・榎本釜次郎武揚も「ここからが海軍の出番」と自負していた。しかしその夜、慶喜は開陽丸で江戸へ逃げてしまう。失望した榎本は、副艦将・澤太郎左衛門、大坂城から持ち出した十八万両とともに開陽丸ごと脱走。蝦夷地を開拓し旧徳川家臣の新天地とすべく、北へと向かう―。無念の開陽丸と男たちの軌跡を描き切る、渾身の歴史小説。
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年、大阪府生まれ。大阪歯科大学卒業、歯科医師。97年に「身代わり吉右衛門」で桃園書房主催第20回小説クラブ新人賞佳作、2010年に単行本『孤闘 立花宗茂』(中央公論新社)で第16回中山義秀文学賞を受賞。2022年、吉川英治文庫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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一笑
12
オランダで建造され当時日本最強と言われた幕府軍艦開陽丸と、それを操る榎本釜次郎武揚と澤太郎左衛門貞説の物語。海舟と榎本・澤ともに、これからの日本、これからの徳川や旧幕臣のことを考えて行動していたけれど、少しでも早く戦を終わらせようとした海舟と、少しでも良い条件で徳川・旧幕臣の生きる道を作ろうとした両者の間に結果的には大きな違いがあらわれてきた。276ページという短い中にいろいろなことを詰めすぎた感じがしないでもない。これだけ官軍にに抵抗した榎本・澤なにの明治維新後も活躍している。明治ってこれだから面白い。2025/04/07
ともちゃん
2
さすが上田氏。幕末の徳川方の武士の矜持を考えさせられる。薩摩、長州の田舎侍に天下を。それになびく徳川恩顧の大名。しかし、最後は新政府の度量がまさっていたのでは。土方も死に場所を得たか。2024/03/14
かんちゃん
1
この時代は、胸に熱いものを生む。 もし、この時代に生きていたら、自分の想いのために死んでいただろう。 今のこの平和な日本で、だからこその呑気な想いだな。2024/06/18
三沢まりの
1
眠ったまま終わってしまった感…。榎本武揚はドラマ「五稜郭」のイメージが強くて、へなちょこぶりに…2023/12/09
もとさん
1
微妙2023/09/09




