内容説明
名古屋大医学部に通う、東京生まれの鏡味龍が下宿するのは、名古屋駅西にある老舗喫茶店ユトリロを営む祖父母宅。店で交わされた奇妙な名古屋弁での会話や持ち込まれた名産品七宝焼にまつわる過去など、不思議な謎を、小倉トーストや味噌煮込みなどの魅力的な名古屋めしからヒントを得て、お人好しの龍が解いていく!名古屋の魅力満載の、ご当地連作ミステリー!
著者等紹介
太田忠司[オオタタダシ]
1959年愛知県生まれ。名古屋工業大学卒業。81年、「帰郷」が星新一ショートショート・コンテストで優秀作に選ばれ、90年、長編ミステリ『僕の殺人』で作家デビュー。2004年、『黄金蝶ひとり』でうつのみやこども賞受賞。17年、『名古屋駅西喫茶ユトリロ』で日本ど真ん中書店大賞小説部門3位。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
197
シリーズ第三弾!けっこう話を忘れてる。龍(とおる)は医大生だったのも忘れてた。主要登場人物もけっこう忘れてた。とりあえずユトリのような喫茶店に行って読書しながら過ごしたい。今作は、“小倉トースト”が食べたくなった。それと“ひきずり”を食べてみたい。今作の第三話の本間さんの一生懸命さに加えて、熱い想い、ありったけの想いをぶつけるシーンは、ああ、それだけ萌に惚れてるんだなと、萌を失いたくない気持ちがひしひしと伝わって泣けた。龍も今後どうなるか、名古屋めしが何が出るか、次作も楽しみにしたい。2021/04/23
名古屋ケムンパス
66
これぞ名古屋本でした。このシリーズは登場人物の言葉は厳しいのに圧を感じない名古屋的な”ゆるさ”が魅力です。小倉トースト、味噌煮込み(うどん)、ひきずり、台湾ミンチ、なごやんと名古屋めしの王道を極めることができます。龍(とおる)君はつべこべ言わずに早くお医者になってワクチン接種に協力してください。2021/07/03
ひさか
64
Webランティエ2020年3,4月小倉トーストと奇妙な会話の謎、5,6月味噌煮込みと七宝の謎、7,8月ひきずりと好き嫌いの謎、9,10月台湾ミンチと赤い靴の謎、11,12月なごやんと知らなかった姉の謎、に加筆修正して、2021年3月ハルキ文庫刊。シリーズ3作目。前作から2年。新作が読めて嬉しい。お客さんが会話の端に忍ばせた謎を調べて、後日譚で解決するパターンが楽しい。話にも工夫があって、面白い。2021/06/29
nemuro
64
「名古屋の魅力満載のご当地連作ミステリー」の第3弾。巻末に「本書は2020年3月から12月にかけて、『Webランティエ』で連載された作品を加筆修正し、文庫化」とあった。収録された5話のうち3話目以降には、マスクやテレワークなどコロナ禍の今が描かれている。思えば、現下の世の中が描かれた小説(作品)を読んでいない。そんな自分に気付かされた。このところ個人的かつ密かなる名古屋ブーム。まあ、『八十亀ちゃんかんさつにっき』を読んで『最高のオバハン 中島ハルコ』を観て、本書。それだけではあるのだが、実に新鮮で面白い。2021/04/21
真理そら
63
「レーコー」「ワヤ」って使うの大阪だけかと思ってた。味噌煮込みの麺はやわらかめの方が好き、初期の風邪なら一発(一杯?)で治る気がする食べ物。龍クンは医師に向いてるかどうかで悩んでるけど、この面倒見の良さは臨床向きだと思うけどなあ。2024/11/04