内容説明
昭和二〇年夏、敗色濃厚な太平洋戦争末期、考古学を研究していた大学生・外園武志は、帝国考古協会へ呼ばれ、三種の神器と並ぶ神宝・十種瑞宝の探索を命じられる。陸軍はその霊力を使い、戦局の挽回を図ろうとしていた。信長に奪われたともいう宝を探す最中、武志は『神事本紀』という古書に巡り合う。それには知られざる宗教の歴史と瑞宝の軌跡が記されていた。彼は巫女見習いの弓月眞理依や謎の男・煙藤四郎と古代の謎を追い求めるのだが…。傑作歴史冒険ミステリーの登場!
著者等紹介
機本伸司[キモトシンジ]
1956年、兵庫県宝塚市生まれ。甲南大学理学部(現理工学部)卒。出版社、映像製作会社を経て、1993年、フリーランスのPR映画ディレクターに。2002年、『神様のパズル』で第3回小松左京賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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春風
4
『神様のパズル』の機本伸司の新境地となる伝奇宝探し小説、かと思ったら、やっぱり神とは何か、いかに生きるかの話。ぶれない。この作者はデビュー以来ずっと同じ話を書いている。2019/12/09
anxiety
2
昔「神様のパズル」「メシアの処方箋」を楽しく読んだ。巷間で言われる様に、いつも扱ったテーマに決着をつけられず終わってしまうのだけれど、その大風呂敷の広げっぷりにワクワクさせられた。「フラッシュフォワード」のロバート.J.ソウヤーの日本人版という感じ(?)。でもこれが「スペースプローブ」辺りから楽しく読めなくなった。「戦渦の神宝」も残念ながらその延長。あれこれ詰め込み過ぎすぎて取っ散らかってしまい、尚且つ決着は曖昧。扱う時代が暗いせいもあるだろうが…。最後、登場人物達が明るい未来に進みつつあったのが救い。2021/01/19
はかせ
1
テーマは難しいです。せっかくこの時代をえらんだのだから厩戸皇子を絡めてほしかった。宗像教授はえらかったなあ。2020/10/12
zero
1
高田崇史「神の時空」シリーズと同じネタを扱いながら、超常現象に走らない、理知的な物事の捉え方に感じ入った。お宝が重要ではなく、お宝を作り上げる知恵と技術こそ重要というメッセージが心にささりました。2019/12/05
yabazo
0
太平洋戦争末期の日本が舞台。なんだか分からないが、瑞宝(みずのたから)という神宝の探索をする話。神事本紀という古書が見つかり、その内容が紹介される章が4つあるのだが、その内容が人の心情などが含まれた普通の文章で、なんだか雰囲気が壊れる。特に最後のはおばあちゃんの記憶を語ったにしては細かすぎて、違和感大でした。ぐいぐい引く感じのストーリーはいつもの機本伸司さんらしいが、主題もなんかよく分からないし、いまいちだと感じた。2024/10/17