内容説明
大坂天満の呉服商「五鈴屋」の七代目店主となった幸は、亡夫との約束でもあった江戸に念願の店を出した。商いを確かなものにするために必要なのは、身近なものをよく観察し、小さな機会を逃さない「蟻の眼」。そして、大きな時代の流れを読み解き、商いに繋げる「鶚の目」。それを胸に刻み、懸命に知恵を絞る幸と奉公人たちだが―。ものの考え方も、着物に対する好みも大坂とはまるで異なる江戸で、果たして幸たちは「買うての幸い、売っての幸せ」を実現できるのか。待望のシリーズ第七弾!
著者等紹介
高田郁[タカダカオル]
兵庫県宝塚市生まれ。中央大学法学部卒。1993年、集英社レディスコミック誌『YOU』にて漫画原作者(ペンネーム・川富士立夏)としてデビュー。2008年、小説家としてデビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
552
こいつはいけねえ。いけねえよ~。(あれ、どこかで聞いたような…)友の想いをのせた富五郎が格好良すぎるよ~。富五郎、イカすぜ!幸、名前の通り幸がいっぱいになってきそうだね。ただ、お梅どんがちょっとかわいそうかな。お梅どんも江戸に来てほしいね。人は財産。人の輪も広がり、五鈴屋の繁盛が目に浮かぶ。後は当主が決まれば御の字だね。次作が待ち遠しいです。2019/09/15
ひさか
501
2019年8月ハルキ文庫刊。書下ろし。シリーズ7作目。あれよあれよと江戸店での商いを展開する幸たちにわくわくします。2020/10/12
やま
471
あきない世傳 金と銀7作目 2019.08発行。字の大きさは…小。 歌舞伎役者の富五郎が亡き夫の智蔵を偲ぶシーンでは涙が出てきました(涙) 賢輔と結の恋の行方は、どうなるのでしょうか。気になる所です。 次回以降が楽しみです。2019/09/14
もんらっしぇ
456
本年某月某日・某所での筆者のサイン会にてお話を伺って改めて認識できたこと。ファンの方々にはよく知られていることですが、高田郁さん、本当に幅広く奥深く取材と研究を続けていらっしゃいます。その下地があってこその、織・型紙・染め・仕立て等着物や帯の記述、そしてそして数々の色の描写、ひいては物語そのものの成り立ちにも当然いえることではないかと… などと偉そうにいっておりますが、私もお竹どんと一緒でした。顔色変わるどころか動揺して涙洟ぐすん。わかってたつもりでも最後にやられました。2019/08/18
Yunemo
448
まずは以前にも感じた本作への想い、経営指南書そのままじゃないですか。幸の商人としての才覚、読み進めるうちに、現代経営にもつながる部分が垣間見えて。知恵が生まれる土壌づくり、すなわち思い込みが強すぎては新しい知恵は生まれない、この国一の意味合い、受けた恩を大切に繋ぐ、流行とは短命で終わるものと不易にまで高められるものの2つがあって、等々、本作は成功へのキイポイントがずらりと並べられて展開する物語。そう捉えたまま読み切り。リーダーの資質を十分に持った、そう育てられてきた経緯が1~6巻で、いよいよ江戸で具体化。2019/09/16