内容説明
主・久兵衛の主菓子が幕府歌学方に気に入られ、照月堂は躍進の兆し。来たる夏に向けての主菓子も所望され、久兵衛はなつめにも案を出すよう言いつける。自分に新たな菓子など考え出せるのかと緊張しつつも、なつめはさっそく思いを巡らし始める。そんな折、照月堂では、出入りの薬売りの子を数日預かることとなった。ところがその富吉、妙になつめに懐いてくる。不思議に思っていたなつめだったが、ある時富吉が口にした「けいさま」という名を聞いて、驚き、動揺して…。続々重版の大人気時代小説シリーズ、第五巻!
著者等紹介
篠綾子[シノアヤコ]
1971年、埼玉県生まれ。東京学芸大学卒。第4回健友館文学賞受賞作『春の夜の夢のごとく―新平家公達草紙』でデビュー。短篇「虚空の花」で第12回九州さが大衆文学賞佳作受賞。主な著書に「更紗屋おりん雛形帖」(2017年第6回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
103
読友さんが仰っていたように、物語が急速に動き始めました。 なつめの兄の行方に関わる手掛かりが得られそうになったのが、一番大きな動きです。しかし、手掛かりを持っていそうな肝心な人が慌てて姿を消してしまいました。何か不穏な空気を感じます。そして、京都で修業をしている安吉にも新たな道が開けそうで、こちらも気にかかります。 しかし、最も気に掛かるのは、なつめ-菊蔵-しのぶの関係です。このある種、三角関係にも似たもつれが、この後どう展開していくのか、続きをすぐにでも読みたくなります。2021/02/21
kagetrasama-aoi(葵・橘)
36
「江戸菓子舗照月堂」第五巻。“けいさま”は果たしてなつめの兄の慶一郞なんでしょうか?気になります。今巻で氷川屋の職人の菊蔵となつめとしのぶがいきなり三角関係になってます。しのぶはお嬢様育ちで身近な職人を婿に迎えることを前提に、仄かな恋心を抱くのは理解出来るけど、なつめはどうなの?ようやく職人の修業を始められたのに…。それは兎も角、今巻で出て来た“びいどろ金魚” 凄く美味しそうです。食べてみたいです(o^O^o)。2021/08/13
坂城 弥生
36
今でいう、毒親ってやつかな、氷川屋は。 寺子屋の先生の話が好きだった。金魚をイメージした和菓子、想像しただけで、綺麗だろうなって思う。2020/10/14
はにこ
35
思わぬところに兄を知っている人が現れるが、逃げられるとは。。兄には何か疚しいところがあるのだろうか?しのぶとなつめの友情も店同士を巡ってギクシャク。それに菊蔵まで関わってきてさらに複雑になりそう。市兵衛の占いが当たる予感。菊蔵の決意と、なつめの兄のことが気になる。2021/03/03
ケイプ
34
シリーズ五作目。今回は今までとちょっと違うぞ。話が一気に動き出した感じがしました。なつめの兄のこと。京に修行に行った安吉のこと。そしてなつめ、しのぶ、菊蔵、3人の関係。それぞれの気持ちがわかるだけにみんな幸せになって欲しいけど。。2021/05/08