内容説明
二つの腎臓を失くした「キドニー」と呼ばれる弁護士の宇野。若月真一郎はこの男を護衛するよう、街の権力者・久納義正から依頼を受けた。同じ頃、高岸と名乗る男がこの街にやって来た。高岸はN市にある酒場「ブラディ・ドール」の経営者、川中良一の部下で、ある強い決意を持ってキドニーを追い続ける。高岸の目的はいったい!?過去を背負い、今を生きる男たちの誇りをかけた戦いの幕が上がる時、強烈な個性がぶつかり合う。大人気シリーズ第十七弾!!
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年、佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部法律学科卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で日本冒険小説協会大賞、吉川英治文学新人賞受賞。85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞、06年『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞、07年『独り群せず』で舟橋聖一文学賞、10年に日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝』全15巻で毎日出版文化賞を受賞。13年紫綬褒章を受章。16年菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
42
懐かしい面々が勢揃いという印象です。強烈な個性がぶつかりあうことで、ハードな男たちの肖像が浮き彫りにされているように思いました。そのせいか、過去と現実が入り乱れる懐かしさを感じます。2022/06/27
サン
20
ブラディドールシリーズ17冊目。約束の街の新装版。高岸がS市に単身やってきて、久納兄弟のいざこざにソルティたちと再び巻き込まれる。群先生のプロポーズとか、波崎とか、胸がいっぱいです。坂井、川中、宇野、沢村もNからやってきてこれでもかと詰め込まれてる。2019/06/01
白きゅまⅢ
12
『ブラディ・ドール』シリーズ第17巻。「キドニー」と呼ばれる二つの腎臓を失くした、弁護士の宇野が登場!前作に登場した川中良一だけでなく、髙岸や坂井、沢村や藤木、西尾と言った懐かしい面々の登場やら、名前が出てきて今一度『ブラディ・ドール』シリーズを、最初から再読したくなってしまいました♪物語が非常に緊迫した展開で、どのように決着をつけるのか?ちょっとハラハラして読みましたが、何とか最悪の事態は免れて、一安心です!思わぬ男の退場は、少し残念ですが、このまま最終刊まで一気に駆け抜けます!★★★☆☆2020/04/22
がんもどき
8
久納家の兄弟の争いも均の死でひと段落したようだが、宇野や高岸がやってきて、川中坂井もまたやってきて、すっかり約束の街というよりブラディ・ドールになってしまっていることに複雑な思いがする。ソルティどころか水村まで脇役になってしまって、そこがちょっと残念だと思う。作者の思い入れの強さの違いなんかなあ。2023/01/15