内容説明
日本橋「菖蒲屋」に奉公しているお春は、お店の土蔵にひとり閉じ込められていた。武州多摩にいる重篤の母に一目会いたいとお店を飛び出したのだが、飯田町で男たちに捕まり、連れ戻されたのだ。逃げている途中で風太という飛脚に出会い、追手に捕まる前に「田安稲荷」に、この紙を埋めれば必ず逃がしてくれる、と告げられるが…ニューヒーロー・くらまし屋が依頼人のために命を懸ける、疾風怒涛のエンターテインメント時代小説、連続刊行、第二弾!
著者等紹介
今村翔吾[イマムラショウゴ]
1984年京都府生まれ。「狐の城」で第23回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞を受賞。デビュー作『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』(祥伝社文庫)で2018年、第7回歴史時代作家クラブ・文庫書き下ろし新人賞を受賞。同年、「童神」で第10回角川春樹小説賞を、選考委員(北方謙三、今野敏、角川春樹)満場一致の大絶賛で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
403
シリーズ第2弾!前作の伏線を回収していくのかと思いきや伏線はそのままにという感じ。今回も、くらましをするわけですが、まさかの掟破りで平九郞だけが挑む。それでも、くらまし屋の仲間の絆は深く繋がっていて、熱い心を見せつけられました。掟を破ってまでも救いたい気持ち!平九郞の熱さに魅了され、剣での立ち回りは迫力満点。まだ平九郞にはどんな過去があるかわかりませんし、新たな敵も出てきたし、次作も楽しみになりました。2018/08/21
W-G
382
ぼろ鳶組では、二作目で大音勘九郎にスポットを当てたのに対し、こちらでは、良い意味で鎬を削る宿敵となりそうな炙り屋が登場。前作でちらっとその存在が仄めかされており、気にはなっていたが、絶妙な設定で、くらまし屋との対決場面は、この先ずっと楽しめそう。二階堂平法って笑。今度はナルトのガイ先生。ぼろ鳶との違いとして、裏に手を出した依頼人たちには、必ずしも幸せとはいえない苦い結果がついてくる。しかし、そこは今村翔吾。悲惨になりすぎず、希望の持てる描き方がされており、読み口はどこまでも爽やか。すぐに次へ。2022/07/05
海猫
331
前作がフォーマットを作り込んだ仕上がりだったから、今作もそれに則って展開する。そう思い込んで読んでたら、意外や意外。まずは依頼人とくらまし屋が、面通しすらできない。ひたすら依頼人が窮地なままなのがヤキモキするし、サスペンスフル。また今回はチームとしてくらまし屋一味がなかなか稼働しなかったり、自らの掟と葛藤するなど、予想外のお話になっていく。シチュエーション作りが上手いので、展開がどんどん転がり読ませる。外したように見せながら押さえるとこは押さえるので、今回も痛快。ちょっと一癖あるシリーズになっていきそう。2018/08/20
修一朗
227
くらまし屋稼業を読む人は「ぼろ鳶」を読んでると楽しめるようになっているのね。ぼろ鳶でおなじみの個性キャラがぞろぞろ御登場で話が膨らんでいきそうだ。今後とも剣を交える敵役は炙り屋さんになりそうだしお春も加わってアジト廻りも充実。くらまし屋さんが必殺仕事人みたいにならなくて良かった。期待していたくらまし術は今回控えめ,大きな仕事に備えて準備着々だ。早速次。2021/07/20
mint☆
222
くらましやシリーズ第二弾。今回の依頼人は菖蒲屋の奉公人お春。11歳のお春は土蔵に閉じ込められたまま物語の半分以上進んでもまだ土蔵の中。どうやってくらますのかと思っていたけどお見事でした。今回は平九郎の過去が少し明らかになったり「炙り屋」が登場したりぼろ鳶と少しだけリンクしたりで盛り沢山でした。お春と風太は今後も登場しそうですね。2022/08/22