出版社内容情報
第9回角川春樹小説賞 最終候補作!!
内容説明
永禄十年、信長が天下布武を唱え、北伊勢へと進出を始めた頃。南伊勢は宿儺村の少年・真吉は、追い剥ぎに母を殺され、記憶を失った少女・サヨと出会う。よそ者を嫌う村人を説得し、許嫁として迎え入れる真吉。戦いが村へ迫るなか、サヨの祈りで村の祠から蘇った「お南無様」は「戦の世を終わらせる」と嘯き、サヨを無理やりひきつれ、信長の動静を探る。一方、真吉はサヨを解放させるため、壇ノ浦で失われた神剣を捜す旅へと出る。信長と異形の荒魂神の関わりとは!?第九回角川春樹小説賞最終候補作。選考委員の今野敏氏に大絶賛された戦国歴史時代長篇!
著者等紹介
高代亞樹[タカシロアキ]
1954年生。奈良市出身。東北大学工学部卒業後メーカー勤務。技術開発、特許業務に従事。弁理士。有栖川有栖氏の創作塾で小説作法を学び、初の長篇「宿儺村奇譚」で第9回角川春樹小説賞最終候補作となった。受賞に至らなかったが、選考委員の今野敏氏より高評価を受け、改稿を経て『勾玉の巫女と乱世の覇王』として、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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豆乳くま
13
タイトルに色々詰め込みちょっと恥ずかしいくらいですけど、まあ内容もその通りな歴史ファンタジーでした。閉鎖的な訳ありな村にやって来た訳ありな男女と少女、残された少女、村の伝説、信長、陰陽的な神祇官、が交差して語られ急ぎ足でフィニッシュしましたが、伝説と歴史の関わりがなかなか良い閃きと言うかそうだったかもしれないと思わせるリアリティーがあったと思います。2020/01/16
ののじ
1
戦国時代、古くからの掟がある村に住む少年と記憶を失った謎の少女と出会った所から始まるファンタジー。目覚めたお南無様の目的は?真吉と小夜の行く末は?清盛や信長とどう繋がるのか?など興味を引くのが上手いなー。神剣探しで海に潜る真吉とお冴さんにもわくわく。しかし、お南無様に終始翻弄された感もありちょっと残念かな2021/07/24
臓物ちゃん
1
古本屋でたまたま見つけた、戦国時代が舞台の伝奇ファンタジーとかたまらんじゃないの〜と思って購入。ボーイミーツガールだしオチもバチッと決まってるし、良く出来ている。良くは出来てるのだが、やっぱり宇月原晴明『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』みたいなオカルトパンクなブッ飛び力が弱いのが残念。歴史の真相にしても「ふぅ〜んさいなんですか」以上の感想がない。脇が甘めの一冊。2020/04/11
紫
1
歴史系伝奇ファンタジー小説であります。物語の進行速度が前半と後半とで激しく変わる本作。物語のバランスが悪くなってしまった印象でいろいろ残念。宿禰村の出来事、織田信長の動静、神祇官の探索が交互に描かれるのですが、三者がほとんど交わらないのももどかしく、カタルシスには遠いというのが正直な感想。どうしてこうなったかは「あとがき」を読んで納得。物語が設定の消化に終始してしまったのですね…。結末も何だか釈然とせず、物語においては運命は抗うもので、受け入れるものではないよなあとつくづく。星3つ。2018/09/28
入江大和
1
『勾玉の巫女」とタイトルにあっただけでレジへ直行(笑)1章はわくわくしながら進んだけれど、2章に入った途端全く先へ進まなくなってしまった…史実の辻褄を合わせているように差しはさまれる信長の動向部分がダメだった。結局私は信長に全く興味がなかった、出発点が作者とは全く違う(あとがきで知った)世界に生きていました。ごめんなさい。最後まで読み通したのは、真吉と小夜の運命を知りたかったから。それから異形のお南無様の行方も。2018/05/25