内容説明
初任幹部科教育を終え、警部補になった柿崎努は、山梨県警上吉田署という辺鄙な場所、しかも聞いたこともない部署へ配属となった。署長に挨拶も行かず署員からおもむろに渡されたのは、カーキグリーンの軍用ベストやズボン、そして登山靴―。さらに連れて行かれた場所はなんと樹海…!?栗柄巡査、桃園巡査、そして事務方の明日野巡査長と共に、樹海で見つかった遺体専門の部署・地域課特別室に勤務することに…!腐乱死体から事件の匂いをかぎ取る!!書き下ろし樹海警察小説登場。
著者等紹介
大倉崇裕[オオクラタカヒロ]
1968年京都府生まれ。学習院大学法学部卒業。1997年「三人目の幽霊」で第4回創元推理短編賞佳作を受賞。98年「ツール&ストール」で第20回小説推理新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
235
樹海専門の部署の警察の話!あんまりミステリー系は読まないんですが、舞台が大好きな県、山梨県ということで、手にとりましたが面白かったですね。事件の内容というかネタは樹海を舞台にしているからこんなものでしょう。上司の柿崎(生真面目すぎw)と部下がかみあわないんだけど、柿崎が部下に育てられた感じで成長していく姿が、良かったかな。ラストはプチファンタジーっぽいシーンがでてきますが、これは余計かなとは思いますが、登場人物の名前がユニークで堅苦しさがなく楽しく読めました。2018/01/05
ちょろこ
138
笑いが絶えない一冊。何これ、面白い。めでたく警部補になった柿崎 努が配属されたのは聞いたこともない、樹海で見つかった遺体専門の部署。ノーマル装備のカーキグリーンの軍用ベスト、ズボン、登山靴にまずビビり、さすがフルーツ王国山梨らしい名前と性格も個性的な三人、栗柄巡査、桃園巡査、明日野巡査長にリードされ、あれよあれよと樹海に、この部署に染まっていく姿に笑いが絶えない。つまり読み手は笑いで忙しい。ミステリなのに完全に笑いが主役な感じも好き。最終章はちょい涙。なくてはならないボス、柿崎。チーム柿崎、良い感じ。2022/03/30
5 よういち
117
初読み作家/初任幹部科教育を終えたキャリア警部補・柿崎は、山梨県警上吉田署地域課特別室の室長として配属される。しかし、その部署はあの富士山の樹海で見つかった遺体専門の部署だった。/本来なら少し暗めに進むような話なのだろうが、堅物の柿崎といい加減そうで凄腕揃いの部下たちのチグハグな会話が全体的にコミカルな印象を与え、面白く読めた。しかし、最後の3章目はそういうタッチの中でもディーブな内容が語られる。しっかり伏線も回収しているところも良かった。残念だったのは、謎解きで明快に分からなかった部分があったこと。2021/09/30
ままこ
87
樹海で発見された死体を専門に捜査する痛快警察ミステリ。柿崎警部補はバカがつくくらい生真面目だがそのブレなさがかえって清々しい。曲者揃いの部下たちとのやりとりも愉快。彼らと接していくうちに少しずつ考え方が柔らかく変化していく様子も良かった。続編もあるようなので読んでみたい。面白かった。2022/05/17
やも
87
山梨県警上吉田警察署地域課所属特別室。これは樹海で起きた事件を専門に扱う部署。所属するのは柿崎警部、栗柄巡査、桃園巡査🌰🍑ついでに言うなら水家巡査や市子野警官も出てくる🍓樹海には死体がゴロゴロ。物言わぬ死体から何を読み解くか、果たしてこれは自殺なのか他殺なのか!彼等はある程度、死体に慣れていて、状況判断なんかは軽々やってのける。慣れないのは配属されたての柿崎警部だけ。後半になるほど死体の謎が深まるミステリーだけど読み心地は重くなく、スイスイ読める。彼等のここでの仕事にこだわる理由もグッと来た🥲★42022/02/25