出版社内容情報
篠綾子が描く待望の新シリーズ!
内容説明
生まれ育った京を離れ、江戸駒込で尼僧・了然尼と暮らす瀬尾なつめは、菓子に目がない十五歳。七つで両親を火事で亡くし、兄は行方知れずという身の上である。ある日、了然尼と食べるための菓子を買いに出たなつめは、いつもお参りする神社で好々爺に話しかけられた。この出会いは、なつめがまた食べたいと切に願ってきた家族との想い出の餅菓子へと繋がった。あの味をもう一度!心揺さぶられたなつめは、自分も菓子を作りたいという夢へと動きはじめて…。江戸の町の小さな菓子舗が舞台の新シリーズ誕生。
著者等紹介
篠綾子[シノアヤコ]
1971年、埼玉県生まれ。東京学芸大学卒。第4回健友館文学賞受賞作『春の夜の夢のごとく―新平家公達草紙』でデビュー。短篇「虚空の花」で第12回九州さが大衆文学賞佳作受賞。主なシリーズに「更紗屋おりん雛形帖」(2017年第6回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
105
江戸時代のパティシエを目指す娘の奮闘物語。 辛い過去を持つ娘が主人公ですが、闊達に暮らしている姿を見ると、重くならずに物語を楽しく読むことができます。 辛い過去を持ちながらも自然体でいられるのは、主人公が仕え一緒に暮らす尼僧様の深い愛情のおかげ。この二人がお菓子を食べるシーンは、読んでいて心が和みます。主人公が働くことになる菓子舗の皆も主人公を温かく見守っています。武家や茶会の席での主菓子や庶民がいただく駄菓子、江戸と京の違いなどお菓子など、たくさんの和菓子がでてくるのもこの物語の面白いところです。2019/11/16
ぶんこ
71
食べ物に関した物語が大好きなのと、表紙のウサギの絵に惹かれて読みました。みをつくしと比べそうになっては、いやいやと気を引き締めて読みました。なつめは好きなものが見つかるとまっしぐらに突き進む天然系。ただ長続きしないようです。そんな移り気ななつめが最後?にまっしぐらになったのが菓子作り。移り気な前科があるだけに、私は了然尼のように温かく見守るとはいかずヒヤヒヤ。偶然出会った菓子舗のご隠居の縁で「照月堂」での女中さん生活が始まりましたが、まだまだ安心しては読めない。「照月堂」の人たちが良い人なのが嬉しい。2018/05/23
はにこ
61
初読みの作家さん。江戸時代のお菓子屋さんの設定は、田牧さんや中島さんのシリーズを読んだけどこちらもなかなか良かった。市兵衛の懐の深さや、郁太郎、亀次郎兄弟の可愛らしさが良かった。了然尼の過去や、なつめの兄のことなど気になることもあるので追ってみたい。2021/01/05
真理そら
49
お菓子関連のシリーズがたくさん出ているので、好きな作者のシリーズなのに読むのが遅くなってしまった。(京風の)最中の月がなつめの記憶と違うのはなぜか、ということが生死不明の兄の話とつながるのだろうか。2019/03/14
kagetrasama-aoi(葵・橘)
43
「江戸菓子舗照月堂」第一巻。主人公のなつめは、“何でもなりたい病”と言われる好奇心のかたまりみたいな女の子。京都で生まれて江戸で暮らしています。江戸駒込に庵を結ぶ了然尼に養われてますが、この尼さんも謎の人物です。そしてなつめの生家がどうなったのかも気になります。タイトルからいずれはなつめは菓子職人となり、生家にまつわる思い出の菓子を作るんでしょうか?まだまだシリーズの導入部。先が楽しみです。2021/07/25