内容説明
自分のことを猫ではなく人間だと思っているらしいおじいちゃん猫モンタンの最期を、独特の筆致で描いた「ゆめみるモンタン」。泥んこのなかで転げまわるのが大好きな猫ノートル・ダムのおはなし「どしゃぶりねこ」。おっとりしたのら猫を家族全員で気に入る表題作「ねこをかうことにしました」ほか、猫の魅力がたっぷりの全十篇を収録。猫たちをこよなく愛した童話作家・今江祥智による、ちょっと不思議でどこか懐かしい、猫愛溢れる物語集。
著者等紹介
今江祥智[イマエヨシトモ]
1932年、大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。中学教師、編集者を経て作家活動に入る。代表作に、『山のむこうは青い海だった』、『ぽんぽん』(日本児童文学者協会賞)と、その続篇『兄貴』(野間児童文芸賞)、二作品に『おれたちのおふくろ』『牧歌』を加えた四部作(路傍の石文学賞)。2015年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
92
『きょうも猫日和』の続編。今江祥智さんが紡ぎだす言葉や文章、そして少し不思議なストーリーに、すっかり虜です。 読友さんの『きょうも猫日和』のレビューに「胸にじんわりと沁みるぬくもりがとても心地よいのです。そしてどの物語にも郷愁を覚えます。」「時の向こうに置いてきた懐かしい誰かや何かを思い胸がキュッと摘ままれたようになります。」とありましたが、この2つの作品を的確に評していて、感心します。読んでいてほんとうに心が暖かくなります。それは、今江さんの猫や犬対する愛がじんわりと伝わってくるからなのでしょうね。2021/03/13
吉田あや
91
沢山の可愛く気まぐれな猫たちと、今江さんの優しい眼差し、宇野さんの魅力的な挿画に彩られた短編集。気儘なようでいて人間の心に沿い、かけがえのない幸せをくれる猫たち。そんな愛しい猫達との日々を本の中に留め、寂しい別れにもそっと祈りにも似た優しい扉を用意してくれる。愛する猫を見送った苦しみに、魔法のような和らぎを届けてくれる「ゆめみるモンタン」。重い肉体から離れた後、チェシャ猫のように軽やかで神出鬼没な楽しい日々を思うまま、行きたい場所で楽しく暮らしていてほしい。(続↓)2019/03/11
みかん🍊
87
宇野 亜喜良の装丁に惹かれて購入した猫の10編からなる短編集、いつの時代の何処の話?というのが多かったが最後の話は戦中の悲惨で悲しい話、表題はひょっこり家にやってきた猫のほのぼのする1編で良かった。【にゃんこ祭り】2018/02/24
リッツ
27
読友さんよりお借りした猫にまつわる短編集。表紙、挿絵は絵本でもコンビを組まれる宇野亜喜良さん、とても合ってて素敵。ちょっと懐かしい時代を感じる背景。飼い猫たちもノビノビと家を出入りしていて胸がチリッ。拾われ猫のつぶやき、人間たちの想像、ちょっと不思議なお話。最後の戦時中の話は人も猫も辛い。2019/10/09
Kei
22
猫のお話を集めた短篇集。完全なるジャケ書いです…2018/09/13