内容説明
終戦後の混乱と貧困が続く日本。凄腕のスパイハンターだった永倉一馬は、池袋のヤクザの用心棒をしていたが、陸軍中野学校出身の藤江忠吾にスカウトされ、戦後の混乱と謀略が渦巻く闘いへ再び、身を投じる―。吉田茂の右腕だった緒方竹虎が、日本の再独立と復興のため、国際謀略戦に対抗するべく設立した秘密機関「CAT」とその男たちの知られざる戦後の暗闘を、俊英・深町秋生が描く、傑作スパイアクション!
著者等紹介
深町秋生[フカマチアキオ]
1975年、山形県生まれ。2005年『果てしなき渇き』で第3回「このミステリーがスゴイ!」大賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
H!deking
73
終戦直後のスパイアクションもので、なかなか面白かった!確かにジョーカーゲームと通ずるところあるね。この登録数の少なさなんだ?(笑)これで終わりか、続編読みたいなー!追記、昨日間違えて単行本で登録してしたまいましたwナイス頂いた方、すみません!54冊目!2018/06/14
sin
71
舞台は昭和22年、戦争の残滓に遺恨を持ち足掻く者たち、戦勝国の都合でねじ曲げられようとする国の行く末に対して元スパイや特殊技能を持った敗残兵の暗闘が描かれる。猫“CAT”は主人公が属することとなった組織の名称…当時と云えば今から75年前、自分が産まれるたった10年前、日本が戦争という闇を抜け敗戦のどん底にあった事実を忘れてはいけないが戦後と呼ばれ“戦争を知らない子供たち”と言われた時代からは平成を挟み遠く隔絶の感があるのが現状だ。その敗戦に乗じて不可侵条約を破棄して侵略してきたあの大国を忘れてはいけない。2022/06/09
アッシュ姉
64
久々の深町さん10冊目は大好物のスパイもの。著者名を伏せられていたら分からないくらい深町さんっぽくなかったのはさておき、なかなか面白かった。ドンパチはあるけど、いつもよりかなりおとなしめ。派手なアクションやバイオレンスがメインではなく、戦後の人々の葛藤や内面にフォーカスを当てているようだ。スパイ小説としては、ヒリヒリする攻防やゾクゾクする頭脳戦が堪能できるD機関シリーズの方が断然好みだが、本作も続編が出たら追いかけたい。(コメント欄へ続く)2017/11/30
くたくた
42
戦後の混乱期に、緒方竹虎が早期の日本の主権回復を目指しGHQに協力するかたちで秘密組織であるCATを創設し、戦後の混乱に喘ぐ日本をさらなる混迷に導く旧軍部(極右)やソ連共産党の工作員(極左)の排除に動く。そんなCATにスカウトされた旧陸軍の諜報員や、元憲兵。ほどよくアクションで程良く切ない。戦後すぐの東京の情景が目に浮かぶ。遠く離れた過去のようで、まだ、75年“しか”経っていない。歴史は地続きでつながっている。それにしても、よくぞあの焼け野原から復興したものだ。2022/08/11
きさらぎ
41
この時代の話はあまり読まないので、わかりづらいところも多かった。ただ、相変わらずドンパチが派手で過激。 陸軍中野学校とかGHQとか靖国とか、単語でしか知らなかったことを深く知るきっかけにはなったかも。2017/03/05