感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
69
ミステリというより探偵小説と言った方が似合う一冊。探偵呪師霊太郎の活躍を描いているのだが、戦前、戦後、平成と時を超えて活躍するその姿はまさに探偵というシステムを体現したかのよう。ただ主な舞台となっているのは戦前と戦後というセピア色の時代なので、そこは前作同様に楽しめた。内容的には最初の「神獣の時代」であっけにとられたものの、続く「零戦の時代」で一気に引き込まれ、「啄木の時代」「少年の時代」はもう大満足。特に「少年~」はファンである詩人に加え、稚気に満ちた登場人物に事件と自分の趣味にぴったりで大満足でした。2017/01/12
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
37
探偵・呪師霊太郎がミステリアスな事件の謎を解く4編。 それぞれ独立した話なので、『人喰いの時代』のような最終話での衝撃はありません。 「オペラ」三部作と同じで、探偵小説でしか描けない歴史の謎、時代の雰囲気を楽しむ作品なのかな。 だから、霊太郎も探偵と言うよりは審判みたいな印象を受けました。 一番好きなのは『神獣の時代』。 ウエンカム様~~(笑)。 ☆2016/12/18
眠る山猫屋
33
なんだコレ!!おもしろ過ぎませんか!!前作『人喰いの時代』が、いわば〝普通の〟ミステリーだったのに・・・。主人公は代わらず呪師霊太郎。舞台も戦争直前の暗い影に覆われた北海道。それなのに!巨大なアザラシを狩る男たちの間で起きた殺人を描く『神獣の時代』に登場した五十嵐さんに、初期山田作品のカッコいい男を久々に見たのを皮切りに、復活(失礼しました)を感じられる作品群。そして最後『少年の時代』はまさに山田さんの冒険小説の真髄を見せつけられました!呪師霊太郎・・・何者だったのだろうか。2017/07/30
ひさか
25
2016年9月ハルキ文庫刊 。4つの短編。「神獣の時代」はWebランティエ2016年4月掲載。「零戦の時代、啄木の時代、少年の時代」の4篇は書下ろし。呪師霊太郎という不思議な名前の探偵の不思議な推理はぶっ飛んだ世界観で、いやもう、びっくりです。2017/03/08
miroku
24
破綻寸前こそ山田正紀のフィールド。危うさが実に良い♪2017/02/25