内容説明
不法侵入の通報を受けた海坂署の寺沢恒彦は、早朝、人気のない商店街へと駆けつけた。不法侵入者は、認知症を患う老女だった。新しい相棒・一ノ瀬明子と捜査を進めるうちに、老女には哀しい秘密が隠されていることが明らかになっていく。やがて現在と過去の殺人事件が複雑に絡み合って…。出世コースから外れた理由ありなふたりが、ささやかで愛しい「幸せ」と人間の尊厳を守るために難事件に挑む、著者渾身の長篇警察小説、遂に文庫化。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
RIN
24
ハードボイルド作家の警察小説はやっぱりハードボイルドだった(笑)。ページも十分に費やし丁寧に緻密に描かれる。地方警察も御多分にもれず(いや地方だからこそ?)組織の力学で捜査が左右されるが、そこはきっちり昔気質の老刑事やら正義感溢れる若手刑事がちゃんといて・・・。組織の小説だから、何だか寂しさ切なさ孤独感漂う本筋の香納さんペースではないが、これはこれで美しい警察小説。オーソドックスなのに古い感じがしないところもまた良し。2016/11/04
Syo
23
なかなか。 う〜む。2021/08/05
Syo
13
なかなか。 う〜む。2021/08/05
tom
13
ずいぶん久しぶりに読んだ香納さん。内部告発した女性刑事出産間際と同じく外れ者にされた中年刑事の活躍物語。とりあえず面白く読んだのだけど、登場人物はどこかで見たことがあるようなキャラクター。そうなんですね、そんなふうに物語は展開するのですよねと、お決まりのパターンの安心感で読ませる物語でした。2016/01/26
尾塚
10
面白かった!著者の警察小説は迫力があって読み応えがありますよね。中年のヒラ刑事と妊婦の女性刑事のコンビ。迷子になった認知症の老女を発見。その現場で白骨遺体も発見。老女と白骨遺体の関係は?妊婦の女性刑事なんて面白い設定ですよね。未解決事件が二重にも三重にも重ねあって引き込まれますよね。満足満足。楽しめました。2015/08/01