内容説明
一九一九年、天才相場師・狂介は欧州で世界大戦の敗戦国であるドイツの惨状を知る。イギリス・フランスと回り、大戦からの復興が産業に急速な発展をもたらしていると肌で感じた狂介は、次の世界経済、相場の変化を先取りすべく分析対象の的を米国に絞った。米国を支配する最強の怪物・ホルムズと対峙するには準備が必要だと考え、日本の戦後復興景気相場をものにしようと帰国した狂介。そこに日本を大混乱に陥れようと企む、闇の帝王・結城の魔の手が伸びる…。大好評シリーズ第八弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
130
大阪の相場の戦争から、舞台がついに世界になってしまいました。完璧にエンターテイメントとしての方向を目指した経済小説ということになってしまいました。まあ今までの筋書きからするとこのようなことにならざるを得ないという気がします。欧州、アメリカ、さらに日本でのさまざまな動きをあと2巻でどうまとめるのかが逆に楽しみになりました。2016/09/01
活字の旅遊人
38
狂介はほぼ失敗しないので、出来すぎ感を楽しむことにしているが、妹の悠子もそう来るかあ！ まあ、兄妹だからな。守秋の正体、洗脳からの覚醒は意外にあっさりだったが、その中で本巻のラストは、果たして！？ ドイツとロシア、ここでも注目だが、ついにヒトラーもつながりだした。ヨーロッパ近代史はまさに現代の諸問題のもとだなあ、と実感。あと、結城とホルムズとのつながりは今後に期待。ようやく催眠術世界に馴染めるようになってきたので、あと二巻は十分楽しめるのではないかな。このまま読みきるか、寄り道するかは、未定だが。2022/02/05
まつうら
31
第8巻はこれまでと一転してミステリー風の雰囲気になった。闇の存在である結城次郎とバーナード・ホルムズが結託して、これまでにない大規模な破壊工作を起こそうと画策する。狂介たちはその妨害に動くが、ちょっと力不足だ。ラスプーチンの呪縛に操られていた赤根が正気を取り戻したが、狂介たちに加勢してくれるだろうか？ 赤根は好きなキャラクターで、彼が加わってくれるならとても頼もしいのだが。ヨーロッパはベルサイユ体制下にあり、ドイツを中心に各国がフラストレーションをため込みつつある。つぎの戦争まで時間がないぞ、赤根！！2022/06/21
Walhalla
28
第8巻です。お恥ずかしながら、東京証券「交換所」なる存在は初めて知りました。勉強になります。物語は、もはや人知をも超えて行きそうな展開ですが、米国大統領を支配する怪物との対峙など、残り2巻も楽しみです。2017/11/28
もえたく
14
シリーズ第８巻。もう一人の主人公赤根はアンナと精神科医ユングのお陰でラスプーチンの洗脳が解ける。主人公狂介は守秋の洗脳を解いたかに見えたが。ラストは衝撃の展開。第一次世界大戦後の復興景気の相場と相まって、読むスピードもアップしてきました。2016/09/19
