内容説明
師走も二十八日。立場茶屋おりきの茶屋と旅篭、彦蕎麦、あすなろ園の餅搗きの日。女将のおりきは、慌ただしさの最中、大番頭の達吉と常連客の吉野屋幸右衛門の身を案じていた。一方、幾千代は、呉服屋・京藤に幾富士を息子の世話係に譲ってくれないかと頼みこまれて、悩んでいた。親なら娘の幸せを一番に望むもの…。愛する者との出逢いと別れを、料理と心遣いが評判の「立場茶屋おりき」を舞台に描く大人気シリーズ、第二十弾。
著者等紹介
今井絵美子[イマイエミコ]
1945年、広島県生まれ。成城大学文学部卒業。画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。98年「もぐら」で第16回大阪女性文芸賞佳作。2〇00年「母の背中」で第34回北日本文学賞選奨。02年、第2回中・近世文学大賞最終候補作となった『蘇鉄のひと玉蘊』を郁朋社より刊行。03年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
108
立場茶屋おりき(由縁の月)20巻。おりきさんの辛い様々な別れ胸が熱くなる四編でした、次巻は辛い別れから立ち直ったおりきさんが見れるのかな。2015/09/17
優希
49
娘の幸せを願うものですが、悩みもつきまとうものですね。愛する人々の出会いと別れを料理にうつしこむのに美しさを感じました。2023/05/02
Walhalla
43
『立場茶屋おりき』シリーズの20作目です。この作品は悲しい出来事がたくさん起きるのですが、今回も大切な人を亡くしました。女将おりきさんを中心に、残された皆さんで茶屋と旅篭を盛り立てていって欲しいと思います。さて今作では、人日の節句について学ぶ機会に恵まれました。1月7日は「七草粥を食べる日」ぐらいにしか思っておりませんでしたが、他の五節句と違ってなぜ奇数の重なる日ではないのか、そのあたりの所以などを知る事が出来ました。歴史ある日本の行事・暦など、この作品から学べることが多くて嬉しいです。2020/08/31
はにこ
39
やっぱり幾富士のことは納得できないなぁ。嫁ならともかく、介護って。。今でいう介護士に転職ってとこだろうか。今回は亡くなる人も多かったなぁ。月日が経つとはこういうことなんだよな。巳之吉とおりきの仲は進展するかなぁ。2022/01/25
ドナルド@灯れ松明の火
18
今作の半分くらいは、登場人物の以前の話の繰り返し。以前の原稿のコピペみたいである。さらに主要人物の物の言い方(特に無理やりの江戸弁や言い回し)や性格描写等読者には周知のことまで繰り返すのが鼻につく。今井さんには悪いがこういう作風では人気が今一だったろう。今作では、幾富士が芸者をやめ、お屋敷の介護へ。おみのの兄が海で亡くなり、名物洗濯婆さんのとめが突然死、京都のひいき吉野家が亡くなる。クロージングに向けて登場人物の整理が始まったのか。2020/10/03