内容説明
大泥棒・ねずみ小僧次郎吉は、髪結「つばめ床」にすっかり居着いている。その夜も女将のおちか、亭主の千之介らと夕餉を共にし、ほろ酔いで塒へ戻ると、そこには黄金に輝く慶長大判が投げ込まれていた。その後も貧しき人のもとで続々見つかる五枚の大判。天の恵みか、人を欲に狂わす悪い夢か―。春待つ浮世に香りたつ、人の心の機微と謎。女たちで賑わう浅草の髪結床に持ち込まれる、不可思議な事件の顛末は。傑作捕物帳、第二弾。
著者等紹介
和久田正明[ワクダマサアキ]
1945年静岡県生まれ。テレビ時代劇の脚本を数多く手がけた後、現在では時代小説の執筆に専念している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
126
髪結の亭主「黄金の夢」2巻。今回は千之介さん、髪結の亭主になって市井の暮らしぶりに溶け込んだのか?あっさりプラス人情が加味されたような気が次巻も楽しみ。2015/06/16
下町ロコモーティブ
15
*髪結の亭主シリーズ第二弾。主人公の、面構えがよく、彫の深い顔立ちで鼻梁高い、眼光鋭い、風祭千之助、家督を譲られた腹違いの弟百太郎、天下の大泥棒ねずみ小僧次郎吉のトリオにより奇怪な慶長大判投げ込み事件の解決を見る。次郎吉が恋煩いをしたり科人となった恋人に会わんとして牢屋に忍び込んだり、事件解決に八面六臂の大活躍をしました。決して長編(294ページ)ではありませんが、中身が充実した読み応えのある時代小説でありました。2017/11/14
むつこ
12
展開ぶりが早くサックサク読めて、これは旅行の移動中にピッタリのシリーズ物に感じてきた。映像化(BSの時代劇ドラマ)にしてもらえればいいんだけど。いまだ主人公に魅力を感じない私・・・なんか謎が多い千之介なんだよなぁ~2016/12/18
かずくん
3
大判小判がザクザク。位の高い人はとんでもないことをするなぁ2018/12/27
定年おやじ
2
第2巻は大判が貧乏長屋へ…。その謎に3人が挑みます。それにしても次郎吉や百太郎は人間味あふれているのに、千之介の人間がよくわからない。ニヒルさを出そうとしているのかと思うが、爺さんとしては人間千之介を読みたいものです。2020/01/27