内容説明
生活苦にあえぐ旗本の間で、娘を裕福な商人の後添いにすることが増え、幕閣内で問題になっているらしい。北町奉行所定廻り同心・井原伊十郎は、その内情を確かめるべく、仲介を行っている六兵衛という男の探索に出る。しかし、探索先にて襲われ監禁されてしまう。命辛々逃げ出せた伊十郎だったが、彼の閉じ込められた先に男の死体が見つかったというのだ。聞き込み証言と刀についた血脂によって、伊十郎は下手人扱いとされ、謹慎を命じられる。しかし自らの身の潔白を証明すべく、伊十郎は江戸の町を逃げ回ることに…。大好評シリーズ第六弾。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年『原島弁護士の処置』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『絆』で日本推理作家協会賞、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。社会派推理小説や時代小説で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
56
独り身同心「逃亡」6巻。百合さんとは逢えず進展せず、謎の盗賊「ほたる火」探索捕縛も進展せず、生活に困窮する旗本の娘を、商人の後添えする仲介人の探索を行うが不覚をとり下手人扱いされ謹慎を命じられるが、身の潔白を証明するために屋敷を抜け出し探索をする。いつもの伊十郎さんより少しはシャキッとした推理と活躍でした。次巻もさらに男を上げて欲しいな~2014/07/12
nyanlay
4
シリーズ6作目。今回は『ほたる火』の出現が少なく、主人公が追われる身。許嫁も出番が殆どなく、代わりにおふじが物分りよいと言うか、相談しているようでいて、おふじが謎解きのヒントを与えているように思えました。不思議な関係ですね。2017/07/18
goodchoice
2
三人佐平次の続編だったのに、伊十郎はなんか冴えないキャラで、読んでいてやきもきする。佐平次の颯爽とした姿の対極でちょっとフラストレーションがたまる。でも、後半の追い込みはやはり小杉健治ならではものがあり、一気に読ませる。さすがだ。2014/04/14
shiozy
2
気分転換にお気楽時代小説。事件の謎解き推理小説風だが、真相を小出しにしながらの展開はご都合主義にも見える。そこはまあ、あまり気にせず、お気楽に読めるところが気分転換にはいい。笑いも涙もなにもない時代小説が、たまにはいい。2014/04/07
Suzu
1
独り身同心シリーズ第6弾。貧乏旗本の娘を金持ちの商人の家に嫁がせ、商人から援助をしてもらう。その仲介人を追っていた伊十郎は罠にはまり濡れ衣を着せられる。謹慎を命じられるも抜け出して真相を探る伊十郎は南町の同心に追われることになる。北と南の違いはあれど同じ同心なのに、伊十郎を下手人扱いってどうなのよ?百合とはどうなるのか?そしてほたる火の正体はますます謎。そして次巻に進む。2019/07/03