内容説明
ドイツ人による自身の暗殺未遂をねつ造したラスプーチンは、自分を「神の人」と崇めるロシア皇帝ニコライ二世にドイツとの戦争を決意させた。一九一四年夏、世界大戦が幕を開け、欧州全土に戦火が広がる。世界経済は大きく揺れ、日本でも株価は暴落。若き相場師・狂介は、今までの“売り”一筋から“買い”一本の勝負に出るが…。あらゆる情報を手に入れ、巧みに人を操り、己のみを信じて縦横無尽に突き進む孤高の天才相場師の活躍を描く、大好評シリーズ第五弾!
著者等紹介
波多野聖[ハタノショウ]
大阪府出身。一橋大学法学部卒業後、国内外の金融機関に勤務、日本株運用のファンドマネージャーとして活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
120
第一次世界大戦が近くなってきてさらにラスプーチンの動きなどが加速されています。海外ではラスプーチン、日本では結城、守秋などの奇怪な人物が出てきますが、これは象徴的なものを人物化したような気がしています。世界のきな臭さや日本のこれからを暗示していくようなものを具象化したのでしょう。そう思って読むと結構楽しめます。2016/08/24
活字の旅遊人
44
ラスプーチンって、実際どうだったんだろうな? 催眠術の話題については眉唾な感じで読んでいるが、意外に当たっているのかもしれないなあ。ヒトラーもロシア革命もその影響下にあるっていうのは、面白い。相場での戦いが久々に描かれたが、確かにこればっかりじゃあ話がもたないだろう。そして女性の勘を神聖化・絶対化するようなところがあるね。狂介は光源氏か? 福助(葵?)と小よし(紫?)の戦いにも注目だ。某N證券の鋭い分析とモーレツ営業は、この頃からしっかり形作られていったのだな。強引なリクルーター面談を思い出します(笑)。2021/11/27
まつうら
33
第5巻でついに第一次世界大戦が勃発した。どの国も、長引かせずに終わらせるつもりで戦争を始めているが、そうはいかないだろうと著者は狂介に語らせる。当時は軍需産業が各国の経済だけでなく、世界経済に影響する重要産業となっており、そうすると経済をまわしていくためには戦争をやめられなくなる。。。考えてみればたしかにそのとおりだ。戦争も経済もカネでまわっている以上、これほど恐ろしいものはない。そして戦争が長引くことで大戦景気となり、戦況と経済に応じた相場が動き始める。狂介は買いで相場をたてるが、その行方は次巻へ!2022/06/18
Walhalla
28
第5巻です。いよいよ、第一次世界大戦が始まります。 世界経済が揺れ動く中、相場師・狂介の活躍がますます面白いです。同時に、ロシアを中心とした世界史も学ぶことが出来て嬉しいです。2017/11/06
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
20
第一次世界大戦突入! ロマノフ王朝とロシア帝国の崩壊を画策していくラスプーチン。 不思議な力で日本を陰から動かそうとする闇の組織の首領・結城次郎。 究極の相場を張り、「本当の相場」を取った時に見えるものを知りたいと思う狂介…。 相場のことはよくわからないのですが、当時の日本社会の様子や世界情勢が面白く読めます。 と言うか、これまでのところ「ギャンブル的な派手な相場に大勝してスカッとする」みたいなのは無いですね~(笑)。 フロイトまで出てきて、この先どうなるのかな☆2014/01/22