感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
37
実話怪談集。新作が三つ入ってはいるものの、今まで読んできた身としては、どの話も既視感を免れない。実話怪談が氾濫し他との差別化を図らなければいけない昨今と違い、因果関係が明確に語られるオーソドックスな作品が多いように感じた。それでも「自殺名所の管理人」とか「水で死ぬ」等は読み始めると細部まで思い出すことが出来るし、独特の描写もまさに平山夢明といったところで存分に堪能させてもらいました。それにしてもこの手の作品の新作もう出さないのかなあ、大御所になると読者のハードルも上がるから書きにくいのかなあ。2013/07/22
hannahhannah
21
怖い本のベスト版。「頭」、「光」、「夜の亀」は新作で残り37話は再録。「頭」のラスト一行は怖いような、悲しいような感覚になる。再々録の話も多いし、それらを読むのは三度目なので、とっとこ読んだ。「自殺名所の管理人」、「夜の漁」、「遺体捜索」、「唄うゴミ袋」は初期の平山さんの名作。「軍艦マーチ」のオカルトパワーで乗客の女の手を握ってくるタクシーの運転手は不気味だし、「建て売り」の結局、最後まで何で怪異が起きるか分からない不可解さも怖い。最後の2話は腐乱死体の「赤鬼と青鬼」、胎児絡みのグロテスクな「負の遺産」。2017/04/24
yashico
20
怖い本シリーズ総集編+書き下ろし3話。ゾクッとするものから箸休め的な短いものまで40話。もぅホラー耐性が強すぎて(笑)怖いー!!とはならないが面白かった。でも短い話は、話が終わる事に集中力切れて波に乗れないので、あまり向いてない。が、恐怖発見を求めてやめられないのであーる。2019/07/08
たぬ
14
☆4 実話系怪談は怖いなあ。自分にも起こりうるシチュエーションもたくさんあるからね。たとえば31話の「親切」。エレベーター内で鍵を落としてしまった→他人の腕が伸びてきて拾ってくれた→でもエレベーターに乗っているのは自分だけ。視界のすぐ外側に何かがいるような気がする。2025/01/01
パブロ
11
怒涛のごとく出る傑作選に食傷気味の今日この頃。「あれ? 『怖い本』にはもっと身の毛もよだつ話があった気がするけど…」と思いつつ、やっぱり本家本元の表現力に改めて舌を巻く。「平山実話怪談の前期から中期をまとめた形」と前書きにあるように(ってことはもう平山さん、後期なの!?)、確かに前期の話は無駄が多いかな。でも、ここから今ある伝説は作られたってことを肌で感じられて面白い。どんどん恐怖のツボをグリグリとネジ込んでいく描写と手腕、これだから平山怪談は止められない。それにしても新作3本って、ちょいと少なすぎ…。2013/07/29
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