感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たーくん
6
津山藩士の生瀬圭吾は、家路をおとしてまでも一緒になった妻・美音と母親の三人で、つつましくも平穏な暮らしを送っていた。しかしそんなある日、城代家老から、年貢収納の貫徹を補佐するように言われる。不作に加えて年貢加増で百姓の不満が高まる懸念があったのだ。山中一揆の渦に巻き込まれた圭吾は、さまざまな苦難に立ち向かいながら、人間の誇りと愛する者を守るために闘うが・・・・・・。市井に生きる人々の祈りと夢を描き切る、感涙の傑作時代小悦。2020/08/06
ヤマセミ
4
あったか人情物語を期待して読んだら、厳しい農民一揆の事情が淡々と語られるばかりで、途中しんどくなったが、どんな結末になるのか気になって最後までどんどん読めた。体面ではなく、愛する者、尊ぶ者を守ろうと貫き通す生き様が静かに描かれていて、こういう今井絵美子の世界もいいなぁと思った。2024/10/18
merara
4
読後感が悪い・・・。今井絵美子さんだと思って油断した。本来はこういう作品が書きたかったのかな。2013/09/27
山内正
3
美音里に帰りたいか暫く辛抱してくれ 圭吾の母於里久から奉公して躾られたが 十九の時父の急死 藩の嫡男が急死し藩が二つに分れ 圭吾の嫁になど村役人風情がと 身の程知らずと罵った 家老に相談してみたら考えようと 朝の登城に様子がおかしい 執務室に入り名を呼ばれた 真木殿が腹を召された昨夜に 三日前大目付の喚問を受けたと 憶測が飛び話し合いが禁じられた 溜之間に呼ばれ年貢収納の時期を早めると久保が発した 家老と政策の違いで対立して 破格の昇進を果してる久保 江戸からの後押しがあると2022/04/15
山内正
2
津山藩の武士として母親と嫁の三人 で慎ましく暮らしていたが 城代家老の命令で百姓一揆を鎮めろと下知を受け困難な交渉が続く やがて解任され異国の地に赴く事に 知らない土地で苦労しながらも、 己を見失わずに再び津山へと ふと振り返れば風が美作の風が吹く2016/08/07