内容説明
延喜十八年(九一八年)夏、東日流国(現在の青森県)。東日流の人間として育てられてきた宇鉄明秀は自分の出生の謎を解き明かすために、海を隔てた渤海国へ向かう。十七年前に赤ん坊だった自分を東日流に連れてきたのは誰なのか?命がけの船旅を経て、やがて明秀は渤海の港町・麗津へと辿り着くのだが…。幻の王国・渤海を舞台に繰り広げられる、侵略と戦争、恋と陰謀。壮大なスケールで描く、大長篇伝奇ロマン小説の開幕。
著者等紹介
平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
1960年岩手県生まれ。大阪芸術大学卒業後、岩手県内の美術教師となる。2000年6月、『エンデュミオンエンデュミオン』(ハルキ・ノベルス刊)で作家デビュー。同年、長篇SF『エリ・エリ』で第1回小松左京賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kagetrasama-aoi(葵・橘)
36
「風の王国」第一巻。「落日の渤海」時代は延喜十八年(918年)、舞台は東日流(つがる)の国と大陸の渤海国。漢字の読み方に初めは戸惑いましたが、半ば以降は物語に引き込まれて読了。貴種流離譚なんですね。渤海国について殆ど知識がないので、新鮮な気持ちで読んでいます。2021/12/11
みっちゃんondrums
7
はるか昔、東アジア史を専攻していた者として、東北の日本海側出身者として、捨てておけないテーマ。渤海、契丹、なつかしい。もっと勉強しておけばよかった。血湧き肉躍る冒険伝奇ロマンの今後に期待する。すでに6巻まで出ているのね。2013/02/25
真朝
5
この物語の本当に始まりという感じがしました。最初から最後まで慣れない難しい漢字に難儀しましたが、半分を超える所からは、面白くなりました。粗野ですが強い明秀がこれからどんな風になっていくのと、国がどう動いていくのか楽しみです。2017/11/27
緋莢
5
延喜十八年(918年)。東日流国(つがるのくに)の船頭・宇鉄亞都偉に育てられた明秀は、自分の生まれた国・渤海へ行く事を願っていた。安東兼任が遣渤海大使をつとめる一団に、副使で幼馴染みの勇魚の協力もあり、加わる事になった明秀は、渤海の港町・麗津へと辿り着くが、そこで思わぬ騒動が待ち受けていて・・・2013/12/26
紅羽
4
潮の香りを感じる壮大な歴史ファンタジーのような作品。東日流国と渤海国を舞台に自分の出出を解き明かす旅に出る明秀。歴史的にも探求心を擽る世界観で、これからどうなるのか見守りたいシリーズです。2015/05/28