内容説明
藤本勘太郎率いる旅芸人一座の千代丸は、本来は気弱な若者だが、類まれな美貌と天性の演技勘から、未来の千両役者と誰もが太鼓判を押す逸材。江戸で興行を立ち上げて大評判になったのもつかの間、同心の息子と娘を亡くした桜山家の御母堂・幸を慰めるため、娘の千代のふりをする羽目に。ところが桜山家を狙う与力の陰謀に巻き込まれ、千代丸は桜山家の遠縁の親戚・千太郎として跡継ぎの同心を演じ、一座は揃って下っ引きや用心棒を務めることになってしまう。八丁堀に渦巻く陰謀を解決し、千代丸は千両役者になれるのか?気鋭の著者によるコミカル時代劇の決定版。
著者等紹介
幡大介[バンダイスケ]
1968年、栃木県鹿沼市生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒。テレビ局嘱託職員、CM製作会社などを経て、2008年「天下御免の信十郎シリーズ」で、時代小説作家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
🐾Yoko Omoto🐾
129
江戸は北町奉行所、同心たちの陰謀に巻き込まれた旅の一座の物語。ゆっくりと一冊かけて登場人物と事の発端が描かれ、一座に降りかかる災難はまだまだこれから続く~といった具合に本巻は幕引き。平易な文章と良い意味で単純な物語は、サクッと軽く楽しむのにちょうどいい。奉行所の内情に不案内な千代丸目線なので、その辺りの仕組みやしきたりなど丁寧に説明があるのも嬉しく、時代物初心者でも分かりやすく物語に入り込める。お約束な感じの“謎の宗十郎頭巾の侍”、同心桜山家に隠された秘密などまだまだ謎が多く楽しみなシリーズだ。2016/04/13
kagetrasama-aoi(葵・橘)
33
幡大介さん、初読みです。表紙絵が柴田ゆうさん、主人公の千代丸が旅芸人の女形と同心の二役で描かれてます。時代劇のお約束の謎の御高祖頭巾の武芸者も!今巻は登場人物紹介の巻って感じです。次巻以降の物語の進展が楽しみです。2021/08/10
とし
22
「天狗と花魁」 「姫さまお輿入れ」を先に読んでしまったので、藤本勘太郎率いる旅芸人一座が八丁堀の組屋敷の長屋に住んでいるのか、千代丸が同心になったのかわからずもやもやしていたが、「千両役者捕物帳」を読んでよくわかった!(^^)! 富くじ始末早く読まねば。さらなる続巻を期待します。 2013/08/03
ひかつば@呑ん読会堪能中
17
旅役者の花形女形が町奉行所同心になるという、同じ作者の大富豪同心が 好評なので他の出版社から「同じテイストのものを..」と依頼されたとしか思えない作品。こちらは天性の役者ということで奇想天外な設定もそれなりに成り立っているが、親馬鹿による大富豪と違って、こちらは同心にさせられた理由が謎。どうやら相当お偉い方々の間で陰謀があったらしいが、、、というところで次巻。こりゃ続きを読まねば。2012/10/02
うさこ@タッタカタ
13
楽しかった。謎の残る桜山家、これから謎ときと千代丸の成長、いろいろありそうです。2014/01/20