内容説明
季蔵の弟分である豪助が、雪見膳の準備で忙しい一膳飯屋“塩梅屋”にやってきた。近くの今川稲荷で、手の骨が出たらしい。真相を確かめるため、季蔵に同行して欲しいという。早速現場に向かった二人が地面を掘ると、町人の男らしき人骨と共に、小さな“桜の印”が出てきた。それは十年前に流行した相愛まんじゅうに入っていたものだった…。季蔵は死体を成仏させるため、“印”を手掛かりに事件を追うが―(「相愛まんじゅう」より)。四篇を収録。人を想う気持ちを美味しい料理にこめた人気シリーズ第十弾。
著者等紹介
和田はつ子[ワダハツコ]
東京都生まれ。日本女子大学大学院卒。出版社勤務の後、テレビドラマ「お入学」の原作『よい子できる子に明日はない』などで注目される。ミステリー、ホラー、時代小説などで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
万葉語り
29
料理人季蔵捕物控10作目。相愛饅頭 希望餅 牛蒡孝行 思い出鍋 今回は次から次へと人が毒殺されてしまった。おいしい食べ物を楽しみにしていたらすぐに五臓六腑がねじ切れるような苦しみに陥れられる。そんな卑怯者は成敗かと思いきや最後は***因果応報ということだと思った。2015/01/23
Mark
27
今回のお話はサラッとした感じでした。それでも今回の料理はこれまで以上に繊細な感じがします。それは相手を思い遣る気持ちなのか。瑠璃も少しづつ変化が出てきているようにも思えます。浜納豆食べてみたい。2015/03/05
えみりん☆
23
新しく登場する人々が次々に殺されるのは何とも痛ましい。手の骨が出るのはどことなく「BONES」を思い起こしてしまいますが、あそこまで羽黒区内と思いながらも、鍋の季節なので、豆乳鍋でも作って温まりたいという気になります。「相愛まんじゅう」は今のフォーチュンクッキーのようなもので、随分古くからあったのだと納得したりして、珍しい料理に惹かれながら、一気に最後までの感有りです。2014/11/14
ichi
22
【図書館本】シリーズ10巻目。大きな盛り上がりなしでした。堀田家に代々伝わる数珠を季蔵(季之助)の嫁となるはずだった瑠璃へ渡し身につけてもらうことになりましたが、今後、瑠璃は季蔵(季之助)を認識できるようになれるのかな?2015/09/15
みとと50
16
稲荷神社の裏手から仏様が出てきちゃった事から事件。しじみと牛蒡の味噌煮って美味しそう。精進飛鳥鍋も美味しそうだな。そば粉を乾煎りしてからごま油で練って揚げるって本当手が込んでる。知らない料理や美味しそうな食材に心踊ります。2015/06/14