ハルキ文庫
悪女という種族

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784758434607
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

生後二ヶ月の我が子を抱くと腕が腫れるという童顔の人妻の奇妙な行動を描いた「水族館にて」、結婚生活にあきあきしている美貌の若妻が、大学教授の夫を彼の教え子である男子学生とともに翻弄する「ある情事」、キャバレーで働く女との関係が彼女のヒモである気の弱いヤクザにばれたとき、三流週刊誌の記者である〈私〉がとった意外な行動を綴った「不意の出来事」など、全九篇を収録。男女の機微を描き続けた著者が、不穏にして魅惑的な悪女たちの正体をあぶりだす、傑作短篇アンソロジー!

内容説明

生後二ヶ月の我が子を抱くと腕が腫れるという童顔の人妻の奇妙な行動を描いた「水族館にて」、結婚生活にあきあきしている美貌の若妻が、大学教授の夫を彼の教え子である男子学生とともに翻弄する「ある情事」、キャバレーで働く女との関係が彼女のヒモである気の弱いヤクザにばれたとき、三流週刊誌の記者である“私”がとった意外な行動を綴った「不意の出来事」など、全九篇を収録。男女の機微を描き続けた著者が、不穏にして魅惑的な悪女たちの正体をあぶりだす、傑作短篇アンソロジー。

著者等紹介

吉行淳之介[ヨシユキジュンノスケ]
1924年、岡山市生まれ。新興芸術派作家・吉行エイスケ(本名・栄助)と美容師の吉行あぐり(本名・安久利)の長男。東京大学英文科中退。在学中「葦」「世代」などの同人誌に参加。1947年大学を中退して新太陽社に入社、「モダン日本」誌の編集者となる。在職中、処女作「薔薇販売人」を発表。54年、「驟雨」で第31回芥川賞を受賞。安岡章太郎、三浦朱門らと共に、“第三の新人”といわれた。67年、『月と星は天の穴』で第17回芸術選奨受賞、70年、『暗室』で第6回谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

17
全九編の短編を収録。「水族館にて」「不意の出来事」は既読。「曲った背中」が印象的だった。戦後、「私」がある男から聞かされた、その妻の話。戦中の混乱の中、美しい妻は・・・。フィクションであると思いたいが、そうでもないかもしれない、と思わせられる壮絶さ。こういう作品を読むと、戦中戦後と現在は地続きなのだと実感できる。2013/05/18

kankoto

3
時々吉行淳之介が無性に読みたくなり、電車のお供につい買ってしまった。9作の内3編が既読。こういう男女のかかわりに自分はまったく無縁であるけれど読んでいるといつも感心してしまう。女の人達に狡さと強さを感じてしまう。駆け引きであったり相手を試すことだったり。そしてそれをお互いに楽しんでいるような…。2012/03/11

コノヒト

1
それぞれ単独で発表された短編小説なのだけど、“つながり”が見られて面白い。連想式しりとり式な配列になっているのかと思った。悪女たちも男たちもギラギラケバケバしていなくて比較的おとなしめ。淡々と静かな語り口で大変読みやすい。2015/03/18

うずまきねこ

1
夕焼の色/水族館にて/ある情事/がらんどう/探す/不意の出来事/曲った背中/赤い歳月/寝たままの男:「悪女」の定義は確かに難しい。持ち前の奔放さが原因になるかもしれないし、男に対する執着に起因することもあるかもしれない。しかしどれもこれもこれらの作品の中では男が翻弄される。吉行の他作品にも似たプロットが見られることもあり、「男と女の関係」は彼の中では大きな意味を持つものといえる。印象的な「ある情事」はあまりにも救済がなく、ただただ不愉快な読後感が残る。しかし、やはり「悪」としての判別は難しい。2015/01/28

Holden Caulfield

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