内容説明
雷雨の中、記憶を失って愛宕権現に倒れていた男は、行方不明の北町奉行の見廻り同心・阿久津金吾と瓜二つであったことから、「偽者同心・愛宕権之助」として金吾に代わり、江戸の平和を護る日々を送る。そこへかつて金吾が捕らえた赤腹の京次から、「嘘つき閻魔」の異名を持つ時蔵の隠れ家を教えるかわりに目こぼしがほしいという手紙が届く。凶悪な盗人たちを一網打尽にすべく、接触を図る権之助と要蔵だが、京次は惨殺されて大川で発見される。だが事件はそれだけで終わらなかった。気鋭が書き下ろす、連作時代長篇、待望の第二弾。
著者等紹介
早見俊[ハヤミシュン]
1961年4月、岐阜県岐阜市に生まれる。神奈川県横浜市在住。現在、時代小説を意欲的に執筆中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Crystal.B
1
記憶が戻らず、苦しいことも多いだろうと思うのですが、開けっぴろげで大らかな権之助にはなんとなく癒されます。お酒に目がなくて「ま、飲んじゃう!?」みたいなところは我が身と共通点を感じるからかもしれませんが・・・身元が割れるような大きな展開はなかったですが、どこかハラハラしながらも、きっとたくましく生きていくのだろうなという安心できるキャラです。2017/02/10
M2
1
話の展開や事件に意外性がないのが少し残念だったけど主人公や脇役の魅力で楽しく読めた。ところで普段は表紙の雰囲気だけ見て絵をじっくり見ることはないんだけど、たまたま要蔵の顔が目に入って思わず噴き出した。これ、あまりに要蔵が気の毒では…?まあ、イラストレーターの要蔵に対する愛情は伝わってくるけど(笑)2011/04/06