内容説明
「茶屋や旅籠の商いも至って順調です」―おりきは先代の墓参りに訪れた寺で、四十絡みの品のある面長な顔をした男性とすれ違った。もしや先代の一人息子?!と思ったが、声をかけることはできなかった。その晩、おりきは鬼一郎の胸に抱かれている夢をみた。鬼一郎の身に何かが起こったのではと心配になるが…(「秋螢」)。表題作他全五篇を収録した、涙と笑いと義理と人情に溢れた大人気シリーズ、待望の第五弾。
著者等紹介
今井絵美子[イマイエミコ]
1945年、広島県生まれ。成城大学文芸学部卒業。画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。98年「もぐら」で第16回大阪女性文芸賞佳作。2000年「母の背中」で第34回北日本文学賞選奨。02年、第2回中・近世文学大賞最終候補作となった『蘇鉄のひと 玉蘊』を郁朋社より刊行。03年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
54
立場茶屋おりき「秋螢」5巻。立場茶屋おりきで働く人たちの悲喜こもごもを親身になって聞いて、思いある方向へ導き助ける、そして巣立っていく人を見守る二代目女将おりきさん良いな~胸熱くなるシーンがたくさんありで良い物語です。 短編仕立てなので話が繋がっているので読みやすいです。2014/04/16
Walhalla
40
『立場茶屋おりき』シリーズの5作目です。立場茶屋おりきで働く方々には、何らかの悲しい過去を持った方が多いですが、それでも少しずつ、自分の道に向かって進む姿が良いですね。おきわさんの蕎麦屋さんも、三吉くんの修行も、すべてが順調にスタートするとは限らないかも知れませんが、 きっと、立場茶屋おりきの皆さんがサポートしてくれるのだと思います。さて、その女将のおりきさんですが、久しぶりの大立ち回りも披露され、益々魅力的ですね。次作も楽しみです。2020/05/07
坂城 弥生
39
巣立ちかテーマだったみたい。2021/12/13
はにこ
33
心と体に傷をおった三吉がどんどん成長していく。将来に向かって道しるべが出来て良かった。様々な事件を通して登場人物達が自分の恋愛について振りかえる。身を滅ぼす程の愛は物語だけで十分だと私は思うけどね。おきわには再び悲しいことが。。蕎麦屋をきっかけにもうそろそろ幸せにしてあげて欲しい。鬼一郎、残念だったねぇ。。2021/05/03
とらこ
24
おりき5巻。江戸の言葉ってこんなに悪いのかなと思いながらも、口が悪いのになれてくるとそれが愛嬌に感じて面白くなってきた5巻。巳之吉の恋話が早く読みたいな、と次巻へ。2016/11/24