内容説明
行合橋は男と女が出逢い、そして別れる場所―品川宿にある立場茶屋おりきの茶立女・おまきは、近頃度々やって来ては誰かを探している様子の男が気になっていた。かつて自分を騙し捨てた男の顔が重ったのだ。一方、おりきが面倒をみている武家の記憶は戻らないまま。そんな中、事件が起きる…(「行合橋」)。亀蔵親分、芸者の幾千代らに助けられ、美人女将・おりきが様々な事件に立ち向かう、気品溢れる連作時代小説シリーズ、待望の第二弾、書き下ろしで登場。
著者等紹介
今井絵美子[イマイエミコ]
1945年、広島県生まれ。成城大学文芸学部卒業。画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。98年「もぐら」で第16回大阪女性文芸賞佳作。2000年「母の背中」で第34回北日本文学賞選奨。02年、第2回中・近世文学大賞最終候補作となった『蘇鉄のひと 玉蘊』を郁朋社より刊行。03年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶち
78
『立場茶屋おりき』第二巻です。 最初の巻よりも主人公のおりきさんが、どんどんカッコよくなっていきます。いろんな事件がおきて難題がふってきますが、おりきさんが立ち向かっていく姿に惚れてしまいます。この巻では、おりきが面倒を見ている双子の姉弟に降りかかってきた災厄が描かれています。子供たちの心情が巧みに描かれていて、胸がつまってしまいます。「爺っちゃん、有難う」の言葉に、涙があふれてしまいました。2023/12/14
とし
44
立場茶屋おりき「行合橋」2巻。立場茶屋おりきで働く人を中心に5つの事件辛い事ばかりが起きるが、凛ととして立ち向かう、女将おりきそれについて従業員胸打たれる物語でした。三吉は立ち直るのか、鬼一郎は戻ってくるのか次巻が楽しみなシリーズ。2014/03/06
Walhalla
36
『立場茶屋おりき』シリーズの2作目です。そこそこ大きな事件が次々と起きてしまいますが、女将のおりきさんの手際が今回も際立っていましたね。亀蔵親分や幾千代さんなど、周囲のサポートも素敵です。皆さん粋で格好いいですね。 如月鬼一郎さんの行方も気になりますし、次作も楽しみです。2020/04/07
はにこ
32
前作で記憶喪失の武士として登場した鬼一郎。おりきをはじめ、店の人々と親交を深めるのだけど。。そして三吉の行方不明事件。今井先生もなかなか手厳しいことをしてくれたなぁ。三吉の心が癒えますように。三吉を孫のように大事に思う善助に心が温まった。武芸ができて、気っ風が良くて優しいおりき。完璧すぎるけど大好き。2021/03/19
坂城 弥生
28
どの話も最後にうるっとしたけど、特に秋の果てが好きだった。2019/06/19