出版社内容情報
これまでどんな厄介な頼みも解決してきたお頭・才蔵が、お初に助力を乞うてきたのは、たやすく割のいい仕事と請け負った、米問屋「御蔵屋」の出戻り娘・お藍のための新たな嫁入り先探しだった。
なぜ簡単そうに見える件で才蔵がてこずっているのか。
米を扱う大店仲間の「吉井屋」から二年足らずで戻ってきたお藍は、今は実家で幸せだと言いつつ、ふさぎ込み、なにか怯えている様子だという。
お初はさっそく動き出し……。
親子・夫婦の情愛、怨恨──女着物に身を包んだ〈えにし屋〉お初が手繰りよせる若夫婦離縁の真相とは。
結ぶも断ち切るも商いのうち。
〈えにし屋春秋〉シリーズ待望の第三作!
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
122
えにし屋シリーズ第3弾!ちょっと待って、第2弾の記憶がない(ガーン!汗)今回は切れたかと思えた若夫婦の縁を繋ぐお初・才蔵のえにし屋の働きを、いつもながらあさの作家の筆致に唸る。なんて言うんだろ・・心理・推理の巧みさは弥勒シリーズの彼らを彷彿とさせる感じ。あそこまでのヒリヒリ感は無いにしても、擽られてしまうのだ。裏で蠢く過去の事件を暴くまでのジリジリ感・・それに出会いたくてまた次も読むに決まってる。2025/08/17
itica
61
シリーズ3。別れても尚、夫を思い続ける女。男も妻の幸せを願う。では何故ふたりは離縁したのか。女の再婚先を親から請け負った「えにし屋」は、図らずも深い闇に足を踏み入れることになる。不穏な空気ともやもやを終盤まで引っ張った割には、最後があっけなかったように思う。しかし初の妖艶な魔力?が今回も遺憾なく発揮されていた。仲間と家族のように接する穏やかな面と、殺気を感じ取る鋭い勘。このギャップが何とも魅力的。 2025/08/21
hirokun
36
★4 あさのあつこさんのえにし屋シリーズ第三弾。あさのさんの時代小説は人情物が多いですが、このシリーズはそれに加え推理小説の要素を含んでいます。語り口から来るものなのか心地よく読書が進みます。私とは相性が良いのかもしれません。2025/08/11
ふわりん
11
安定のあさのさんのシリーズ三作目。同じような時代小説がたくさんあるのでタイトルを見ただけではパッと思い出せないけど、読み始めてすぐに思い出した。やっぱりお初が変わり種というか、得意技の七変化で情報を集め策を練りじわじわと追い詰めていくのが印象的だからかも。今回のえにし屋の仕事は夫婦じまいからの始まりだったけど、それが発端で結局大ごとに繋がっていく。全体的には暗い雰囲気の話だけど、最後明るく終わって良かった。あさのさんのシリーズはまだ他にもたくさんあるので、早く読めるのを楽しみに待っていよう。2025/08/17
晴
9
えにし屋シリーズ第3弾。前作と地続きになっている今作。婚家の「吉井屋」の若旦那・重松と2年足らずで離縁し実家の「御蔵屋」に出戻ってきた娘のお藍。離縁してからというものの何かに怯えるように部屋にこもっている娘をなんとか救ってほしいという依頼を受けたえにし屋が離縁の真相に迫っていくお話。終始どこか薄気味悪い感じ。えにし屋のお舟さんと子供たちとのやりとりとか暗いところばっかりではないのが救いかも。2025/07/26