楽園の犬

個数:
電子版価格
¥1,980
  • 電子版あり

楽園の犬

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2025年05月13日 03時04分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 404p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784758414470
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

いま最も熱い著者の最高傑作!
世の中が戦争に突き進もうとするとき、人はどこまで自分でいられるだろうか。

「いま書かれ、いま読まれることに意味がある。
この先わたしたちは『戦時下における個人の思い』を、黙殺することができるだろうか。
流れる血はいったい誰のものなのか。親が子に遺せるものは何なのか。
頁をめくりながらひたすら考えた。
読むほどに、現在を書いたものではないかと錯覚しそうになった」
――桜木紫乃氏

「このリアリティは何なのか。私は、ひととき、たしかに太平洋戦争勃発前のサイパンにいた。
スパイとは、かくも過酷な存在なのか。読後、限りない感動と喪失感に包まれた。
読み終わった今もなお、戦前のサイパンの空気と麻田の苦闘が夢に現れる」
――貴志祐介

<あらすじ>
時代が大きなうねりを見せる中、個人はどこまで自分の考えを持つことができるのか?
そして、どこまで自らの意思を通すことができるのか?
南洋の地を舞台にした壮大な物語がここに――。

1940年、太平洋戦争勃発直前の南洋サイパン。
日本と各国が水面下でぶつかり合う地に、横浜で英語教師をしていた麻田健吾が降り立つ。
表向きは、南洋庁サイパン支庁庶務係として。だが彼は日本海軍のスパイという密命を帯びていた。
日本による南洋群島の支配は1914年にさかのぼるが、海軍の唱える南進論が「国策の基準」として日本の外交方針となったのは1936年だった。
その後、一般国民の間でも南進論が浸透していった。
この地にはあらゆる種類のスパイが跋扈し、日本と他国との開戦に備え、海軍の前線基地となるサイパンで情報収集に励んでいた。
麻田は、沖縄から移住してきた漁師が自殺した真相を探ることをきっかけに、南洋群島の闇に踏み込んでいく・・・・・・。

内容説明

一九四〇年、太平洋戦争勃発直前の南洋サイパン。日本と各国が水面下でぶつかり合う地に、横浜で英語教師をしていた麻田健吾が降り立つ。表向きは、南洋庁サイパン支庁庶務係として。だが彼は日本海軍のスパイという密命を帯びていた。日本による南洋群島の支配は一九一四年にさかのぼるが、海軍の唱える南進論が「国策の基準」として日本の外交方針となったのは一九三六年だった。その後、一般国民の間でも南進論が浸透していった。この地にはあらゆる種類のスパイが跋扈し、日本と他国との開戦に備え、海軍の前線基地となるサイパンで情報収集に励んでいた。麻田は、沖縄から移住してきた漁師が自殺した真相を探ることをきっかけに、南洋群島の闇に踏み込んでいく…。時代が大きなうねりを見せる中、個人はどこまで自分の考えを持つことができるのか?そして、どこまで自らの意思を通すことができるのか?南洋の地を舞台にした壮大な物語がここに―。

著者等紹介

岩井圭也[イワイケイヤ]
1987年生まれ、大阪府出身。北海道大学大学院修了。2018年『永遠についての証明』で第九回野性時代フロンティア文学賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

316
昭和15年、英語教師の麻田は喘息持ちで日本の植民地のサイパン島の南陽庁・庶務係として働く事となるが実は日本海軍のスパイとして上官・黒田の犬となって本国に残してきた妻と息子の為に不慣れで困難な任務に立ち向かうのだった。スパイ疑惑をかけられた人々の死にまつわる謎に挑む麻田は必死であらゆるテクニックを駆使し人間の複雑な心理を読み解いていきます。第三章までの麻田の名探偵のようなプロ顔負けの推理の活躍も素晴らしいですが何と言っても本書の白眉は第四章「花」で日米開戦と共に黒田が行方を絶ち後任者が麻田を拘束するのです。2023/09/27

パトラッシュ

219
スパイ小説の主人公は優秀で非情な愛国者との設定が多いが、本書に登場する麻田は完全に逆だ。喘息で辞職した元教師で、療養を兼ね信託統治領のサイパンに職を得たら素人なのに海軍の防諜要員となるのを強要される。調査対象である貧しい漁師や差別される現地人を、軍や警察は人間扱いしていない。美しい海と自然に囲まれた南国の楽園は、大日本帝国の理不尽が集積していた。そんな土地で人らしく生きようとする良心的知識人は、巨大な戦争の渦に容赦なく吞み込まれてしまう。日本に残した妻子に希望を捨てぬよう告げる遺書に悲劇が凝縮されている。2024/01/24

いつでも母さん

186
苦しい読書だった。フィクションだけどそこにあったのは歴史が教えてくれた事だけじゃなく、数多の事実がまだまだあるのだろうという事。戦争が残したものは人の数だけあるのだ。物語の中に意識が入り込んだ本作。彼の地で残した手紙が息子の元に届いて落涙。今、この時代にこの世界に未だ戦争は無くならない。生き抜くことを考えてしまう。肌の色が違っても住む国が違っても思想信条が異なっても、命は一つなのだ。2023/10/08

モルク

155
横浜の女子校で英語教師をしていた麻田は喘息の持病があるため仕事も休みがち、友人に請われ妻子を残しサイパンに単身で渡る。表向きは南洋庁庶務係だが海軍のスパイの任を受けていた。彼に命を下す海軍少佐堂本さえ疑わしく日米開戦の逼迫した状況下起こる事件はミステリー。違う立場のスパイローザは敵か味方か。誰をどこまで信用すべきか、麻田の苦悶が戦争にまっしぐらに向かう日本国民と対比する。生き延びようとすることは日本男児の恥なのか、終戦後息子に届いた手紙に麻田の生きざまを知る。スケールも大きく堪能した。2023/11/26

hiace9000

145
同時代を描く満州ものー、かの直木賞作品・小川哲『地図と拳』と地理的に見事対をなす南洋舞台の本作。いわゆる軍人目線の"戦争もの"とは異なる、独自の立ち位置で戦争を描く点も共通点か。時代の渦に巻き込まれざるを得なかった人間の弱さ、一方で死を厭わず賛美することの愚かしさと、それに抗する人間の強さ…、作品は現代への確かなメッセージとなろう。戦場にミステリーを持ち込んだ深緑野分作品もあるが、人が極限に立たされたとき内面描写や、苦悩や葛藤に肉薄する臨場感は、圧倒的に本作に軍配。秀逸の辞世の句には、思わず胸打たれる。2023/09/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21457228
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品