出版社内容情報
「宇和島藩伊達家の墓所の中にある」柴田家の墓。
重臣といえるほどの名家ではない柴田家が、なぜそのような所に祀られているのか。
その謎を解く鍵となる人物が、著者の四世代前の祖先、高祖父に当たる〝柴田快太郎〟であった――!
八代藩主伊達宗城の密命を受け脱藩したという高祖父の伝説を、
『下山事件』で昭和史の謎を掘り起こした柴田哲孝が、再び現代に蘇らせる!
幕末の動乱を迫真の筆致と視点で描く、歴史小説の傑作、誕生。
内容説明
「宇和島藩伊達家の墓所の中にある」柴田家の墓。重臣といえるほどの名家ではない柴田家が、なぜそのような所に祀られているのか。その謎を解く鍵となる人物が、著者の四世代前の祖先、高祖父に当たる“柴田快太郎”であった―!八代藩主伊達宗城の密命を受け脱藩したという高祖父の伝説を、『下山事件』で昭和史の謎を掘り起こした柴田哲孝が、再び現代に蘇らせる!幕末の動乱を迫真の筆致と視点で描く、歴史小説の傑作、誕生。
著者等紹介
柴田哲孝[シバタテツタカ]
1957年東京都生まれ。日本大学芸術学部中退。2006年『下山事件 最後の証言』で第59回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)と第24回日本冒険小説協会大賞(実録賞)をダブル受賞。2007年『TENGU』で第9回大藪春彦賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rosetta
26
★★★★✩作者の高祖父である四国宇和島伊達家の家臣柴田快太郎の半生記。日記や手紙等を整理して現れた歴史に作者のフィクションが加わっているのだろう。正に激動の時代。開国とか攘夷とか、倒幕とか公武合体とか、よくもそんな抽象的な概念で殺し合いが出来たものだ。学生運動末期の内ゲバと変わらないのか。その割に実際の戦となると、新式の鉄砲があるとは言え小粒で作戦用兵も稚拙。唐人お吉との交わりや和蘭おいねとの交友といった意外な面も。しかしここでは島津久光はまるで小池百合子並に人を平気で踏みつけにする厚顔サイコパスである。2021/07/10
きあら
23
幕末の実在の人物と史実を元に、作者柴田哲孝氏の高祖父の柴田快太郎を主人公にした創作の小説。ご先祖自慢が強くなるような気がしていて中々手が伸びなかったけど、読んでみたら歴史に詳しくない私でも楽しく読めた。快太郎と鞠の話をもっと読みたい。2021/07/31
さやなか
22
ノンフィクション作家でもある柴田氏の史実を基に創作された小説。主人公は柴田快太郎という、著者の高祖父にあたる人物の幕末記での伝説である。史実なので歴史的超有名人がわんさか登場するのが読んでいて面白かったのが、先ずひとつ。坂本龍馬はイメージ通り。次に土方歳三のキャラが以前読んだ「燃えよ剣」と違いサディスティックに描かれていたり、他にも個性的に描かれていたのが印象に残る。表紙の銃は「ルフォーショー」という当時でも珍しい渡来した銃を快太郎は愛用していたのだそう。剣から近代兵器と移る日本の姿も描かれている。2023/07/31
さんつきくん
15
著者の高祖父・柴田快太郎を通して見た幕末を彼が残した日記や過去帳、当時の資料に著者の脚色を加えて、描かれた小説。戊辰戦争は書かれてないけれど、その前までの幕末が詳しく書かれている。柴田家は宇和島伊達家(仙台伊達家の分家)の藩士。宇和島藩8代目藩主伊達宗城公の時に西洋銃の使い手として活躍した人物である。この快太郎。子孫の著者は宗城公直属の密偵だったのではと推測。物語では井伊直弼が暗殺された桜田門外の変や寺田屋事件、新撰組、池田屋事件が詳しく書かれている。彼の日記や資料はまだ未整理のまま手付かずの部分が多く、2021/08/08
なつみかん
9
作者、ご自身の高祖父の幕末期の活躍に思いを馳せた一作なのでした、そうした内容と知らずに読んだのですが、これはこれで面白かったのです。2024/10/14