内容説明
「おもしろいから書くのではない、書いているからどんどんおもしろいことが増える」
小説、エッセイ、短歌、絵本と幅広い創作で注目される作家、くどうれいん。その創作の原点は日記にあった。そんな彼女の日記を一年分まるごと初公開するのが本書である。仕事から私生活まで、愉快なことも苦しいことも、真正面から受け止めて、描ききる。日々の短文日記=「日記の練習」とそれをもとにしたエッセイ「日記の本番」をとおして浮かび上がる、みずみずしくも生々しい、作家くどうれいんの一年。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
190
日々を書き留めたエッセイ。街中で芍薬が咲く頃に思い出す、くどうれいんさん。感情の揺れとともに花ひらき満ちる日もあれば、一片音もなく散る日も、蕾のまま朽ちて閉ざす日もある。ドキドキしたりイライラしたり、支え合いながらゆらりゆらりと続く生活。思い通りにはいかないし、このままでいいのか不安だけど、もし今やりたいことがあるならやった方がいい。いつまで続くかわからない人生だから。世間には数多の言葉が飛び交っていて伝わらないことだらけだけど、信頼できる人と共感し合えたときは安心して眠れる。素直になれない日もあるけど。2025/05/17
ちゃちゃ
91
私事になるが、昨秋から日記をつけ始めた。日々の記録や備忘録ではなく、自分と静かに向き合う時間を作ろうと思い立ったからだ。今や就寝前のひとときは、心を整えるための貴重な時間となった。誰かに何かを伝えるわけじゃない。思いを言葉として形にすることで、新たな発見があり日常が豊かに彩られてゆく。さて本作だが、歌人•作家であるくどうれいんさんが、日々の心の起伏を飾らぬ文章で綴った日記&エッセイ。「書くと生活はおもしろくなる」ささやかな出来事や人間関係は、立ちどまって書くことで喜びや面白さに変わってゆくのだ。2025/02/09
tenori
71
冒頭『日記は日々の記録ではない。日々を記録しようと思った自分の記録だ』と煽り、あとがきで『仕事で書く日記』と言い放つ。この落差というか感性が好き。どこか斜に構えながら日常と自分の器を受け止めて分析しているところ。構成は日記調になっているものの「丸ごとくどうれいん」のエッセイである。『盛岡のためにも岩手のためにも働いてたまるかと思う』上等である。その気概を持ったまま全力で彼女は故郷を愛するだろう。だからこそ私は彼女に全国区になってほしい。ちなみに私はこの本を読書好きな『推し』にプレゼントしたのだった。2024/11/11
@nk
54
著者は編集された赤裸々を記しているという。とは言え、喜怒哀楽を知ることになる読み手は、それが練習であれ本番であれ、描かれる日々から思い起こすものが多いはず。私などは『うたうおばけ』を読み、結婚されたと知ったのが2023年。そして翌年1月、第38回全国高等学校文芸コンクールでのスピーチをWebで読んだ。まさにその日々が本書では綴られていて、くどうれいんという書き手の日常を垣間見ながら、なんとも一喜一憂しつつ読み終えた。/好きなことは書くことであり、適度にうっとりしている時こそ筆がのる。とにかく夫、いわゆる⇒2025/02/10
もぐもぐ
54
くどうれいんさんの丸々一年分の日記、という形式のエッセイ。私も日記をずっと書いてるけど、これくらい日々の気持ちを素直に書き残せたらいいなあ。それと「日記をつけたりやめたりを繰り返しているが、日記を書きたいと思うきもちは持ち続けています」は共感しかない(笑)。読メも自分にとっての日記の一つかもしれない。何気ない日常の愛おしさが伝わってくる、読んでいて心地よい本でした。2025/01/18




