内容説明
光子という美の奴隷となり、まんじ巴のように絡みあいながら破滅に向かう者たちを描いた心理的マゾヒズム小説の傑作。他に短篇「蘿洞(らどう)先生」「続蘿洞先生」を収めた。中村明日美子による美麗なカバー画・口絵、挿画十五葉は本文庫版のための描き下ろし。〈解説〉千葉俊二〈註解〉明里千章 附・大正末期から昭和初期の大阪市街地図と蘆屋周辺地図
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんぶん
22
【図書館】名作と言う事で借りてみた、思ったより時間が掛かってしまった。 慣れない「関西弁」一辺倒の文章や、行替えも無く、延々と続く痴話話に辟易した。 谷崎潤一郎の性格に付いて行けない。 どうにかこうにか読み終えたが、頭に入って来なかった。 心理的マゾヒズムって全然判らなかった・・・もう、谷崎には手を出すまい。2024/09/25
おすし
22
マゾヒズムフェティシズム云々~モダニズムがどうたら~(キリッ)みたいな評論よく見かけますけど…こんな言っては各方面のかたがたに怒られそうですけど…谷崎作品大概下世話で俗っぽい(そして笑える)エンタメ小説の部類なんじゃ…?? 『羅洞先生』なんて真顔で読んでたのにめちゃ裏切られたし!好き。んで『続…』て(笑) 『続続…』は無いのォ(身悶) 『卍』の読後感たら、命がけの破滅の方向性が金を持て余した金持ちの遊び的バカバカしさでなにやっとんねんという感想にしかなんないし、メタ的にチラチラ存在感を示す谷崎先生に笑う。2024/02/20
咲
2
ふと入店したフェティッシュ・バーにて、店長が卍の話をしており、感想戦にお誘いいただいたので、積読から引っこ抜いて、読んだ。夜に読んで、朝になって、雨が降っていて、からだは不調で、かねてから溜まっていた休暇で仕事を休んだ。グラスに半分の葡萄酒をぐうツと一と息に飲み乾す。お昼になってもしよツちゆう意識ぼんやりしてて、生きてるのんか死んでるのんか物語なのんか分からんくなる。ただ光子さん一人が、太陽みたいに輝いて見える。光子観音様。美が人間の生活を崩壊させるのを、目の当たりにしてしまう。美と性と死。あゝ苦しイツ。2024/12/04
月と星
2
★★読みにくい。理解できない。2024/09/28
Ryoko
2
若い頃に手に取り読み始めたが大阪弁と旧仮名遣い、内容が理解できずすぐ断念した本。最近本屋でインパクトのある表紙に惹かれ再度読むのをチャレンジしてみた。なんとか読了。ただ文体、表現がわかりにくい印象は変わらなかった。それとなかなかすすまないストーリー。性的描写はほぼ出てこないが映像化されるとかなり刺激的になるのが不思議。昔はオブラートに包んで読者に想像させたのだろうか。というか制限が厳しかったのだろう。とりあえず谷崎文学の1作品は読んだ。満足。2023/12/31