出版社内容情報
《内容》 日本老年医学会雑誌 第41巻 第1~6号に掲載された「総説」と「老年医学の展望」をupdateしてまとめた14篇に加え,老化の基礎医学,高齢者の臨床医学から最新トピックスなど8篇で構成したYear Book。
《目次》
老年医学update 2005-06 目次
I.TOPICS
老化のモデル動物-最近の研究から- 吉川泰弘
老化とは?
老化と寿命の研究モデル
線虫(C. elegans)
ショウジョウバエ
マウスほか
病的老化(遺伝性)
SAM(老化促進モデル)マウス
クロトー(Klotho)マウス
ラミンAトランスジェニックマウス
gad(UCHL-1欠損)マウス
老人病モデル(実験的,自然発生的)
神経系:アルツハイマー病モデル,パーキンソン病モデル,プリオン病モデル
感覚器系:網膜黄斑変性症モデル
骨格系:骨粗鬆症モデル
循環器系:動脈硬化症,脳梗塞モデル
カロリー制限と老化制御 新村 健
遺伝子発現の老化に及ぼすカロリー制限の効果
骨格筋における遺伝子発現の変化
心臓における遺伝子発現の変化
脳における遺伝子発現の変化
その他の臓器における遺伝子発現変化と短期的カロリー制限
Beyond cDNA chip
カロリー制限はヒトに幸福をもたらすか?
ヒトにおいてカロリー制限は,寿命を延長させうるか?
血管石灰化の分子機序 神崎恒一
血管石灰化のタイプ
血管石灰化の機序
血管平滑筋の石灰化
破骨細胞
特定因子の関与
血管石灰化の臨床的意義
血管石灰化のリスク
血管石灰化と骨粗鬆症との関係
血管石灰化の調節因子
骨粗鬆症診療の最近の進歩 三木隆己,揖場和子
診断
病態評価
薬物治療の開始時期
治療
骨粗鬆症治療とコンプライアンス
治療効果判定
最近の話題
アルツハイマー病の画像診断の進歩 工藤幸司
アルツハイマー病診断とConsensus Report
アミロイドイメージングの原理およびその可能性
アミロイドイメージングプローブの現状
著者らのプローブ
βシート構造を認識するプローブのさらなる発展性
高齢者の心筋梗塞診療の進歩 高田 淳,土居義典
高齢社会を迎えて
高齢者虚血性心疾患の特徴
高齢者の急性心筋梗塞
急性期診断の問題点
高齢者の急性期再灌流療法
急性期から慢性期への薬物療法
アスピリン
β遮断薬
硝酸薬
カルシウム拮抗薬
アンジオテンシン変換酵素阻害薬
ホルモン補充療法(HRT)
慢性虚血性心疾患の治療
外科的血行再建術
高齢者の筋肉トレーニングとその効果 綾部誠也,田中宏暁
加齢に伴う筋力の変化
高齢者に対する筋力トレーニングの効果
筋力増加に対する効果
各種疾病の予防治療に対する効果
高齢者における筋力トレーニングのプログラム
筋力トレーニングの留意点
高齢者ケア-最近の動向- 白澤政和
介護保険制度の見直し
介護予防マネジメント
ケアマネジメントの質のアップ
痴呆症から認知症への呼称変更と認知症高齢者へのケア方法の開発
ホームヘルパーによる吸引業務等の実施とホームヘルパーの資質の向上
高齢者と障害者ケアの統合の可能性
II.総説
脳血管性痴呆の病態と治療 宇高不可思,織田雅也,亀山正邦
VDの臨床診断基準
VDのタイプ別分類と画像診断
大脳皮質型VD
局在病変型梗塞痴呆(strategic infarct dementia)
皮質下性VD
脳出血によるVD
予防的治療対策
アテローム血栓性脳梗塞の予防
心原性脳塞栓の予防
ラクナ梗塞の予防
VDに対する治療
中核症状に対して
周辺症状に対して
その他の合併症の治療
ターミナルケア
医療におけるパターナリズムが正当化される条件 五十嵐雅哉
自己決定権
インフォームドコンセント
医療におけるパターナリズム
インフォームドコンセントに基づかない医療
説明が行われたが,それに同意しないにもかかわらず医療が行われた場合
説明が行われず,したがって患者が同意しないにもかかわらず医療が行われた場合
「お任せ医療」を自己決定した場合
「知りたくない権利」を自己決定した場合
パターナリズムの正当化論
一般的なパターナリズムの正当化論
法律に基づく正当化論
「危害原理」に基づく正当化論
「自律性の確認目的のための干渉」理論
高齢者造血器悪性腫瘍-急性骨髄性白血病を中心に- 森 眞由美
高齢者における造血器悪性腫瘍
高齢者造血器悪性腫瘍
高齢者血液悪性腫瘍の治療上の問題点
高齢者急性骨髄性白血病
高齢者急性骨髄性白血病の特徴
治療
予後因子
選択基準
寛解導入療法
マイルドな治療法
多剤併用療法
薬剤耐性を克服するための試み
新しい薬剤
地固め療法および維持療法
幹細胞移植
非寛解例
QOL
長期予後
高齢者パーキンソン病の臨床 葛原茂樹
パーキンソニズム(パーキンソン症候群)とは?
パーキンソン病の疫学
パーキンソニズムの原因疾患
パーキンソン病(特発性パーキンソニズム)
パーキンソン病以外の神経変性疾患
二次性(症候性)パーキンソニズム
パーキンソン病の診断
パーキンソン病の診断基準
パーキンソン病の支持的所見と否定的所見
検査所見
高齢者パーキンソン病の特徴的所見
痴呆と精神症状(幻覚,妄想,せん妄)
抑うつ
自律神経症状
高齢者パーキンソン病の治療
高齢者の特徴を考慮した治療の原則
抗パーキンソン病薬の種類
治療ガイドライン
精神症状や異常行動の副作用が出たときの対応
老化における分子炎症反応 鄭 海泳,成 寶慶,鄭 敬眞
老化の分子炎症仮説
血管老化における分子炎症反応
Alzheimer病における分子炎症反応
食餌制限の抗炎症作用
痴呆疾患に関する医療経済的検討 鷲見幸彦,太田壽城
痴呆疾患の疫学・基礎データ
痴呆疾患の有病率
痴呆患者の新規発症率
痴呆患者の患者数
アルツハイマー病の自然経過
治療・介護にかかる総費用
診断,治療,介護に関する費用経済効果
痴呆の診断に関する費用経済効果
薬物療法による費用経済効果
非薬物療法による費用経済効果
痴呆のケアに関する費用経済効果
将来予測・治療効果の試算に関する報告
癌性悪液質の病態と治療-特に高齢者において- 乾 明夫
レプチンによる食欲・体重調節機構
飢えに対する応答と癌性悪液質
老化に伴う悪液質
癌性悪液質の診断
癌性悪液質の治療
中心静脈栄養
グルココルチコイド
プロゲステロン
抗セロトニン薬
胃運動改善薬
エイコサペンタエン酸(EPA)
カンナビノイド
5'-Deoxy-5-Fluorouridine(5'-dFUrd)
その他
アルツハイマー病のワクチン療法UPDATE 田平 武,原 英夫
III.老年医学の展望
21世紀の緩和医療 中川恵一ほか
緩和医療を取り巻く背景と問題
医療者の意識
告知の非タブー化
治療方針の自己決定とインフォームドコンセント
病院死の増加と緩和ケア病床,在宅ケア
一般病床での緩和ケアと緩和ケアチーム
学部教育,卒後教育
緩和医療の実践と展望
疼痛緩和の指針と拡がり
サイコオンコロジー
癌治療体系と緩和医療
日本型緩和医療の確立へ
アドレノメデュリンと疾患 下澤達雄,藤田敏郎
各種疾患におけるアドレノメデュリンの動態
アドレノメデュリンのpleiotrophic effects
ノックアウトマウスからわかったこと
治療薬としての展望
ユビキチンシグナリングとその生物学的意義 村田茂穂,田中啓二
ユビキチン
ユビキチンシステム
ユビキチン化が伝達するシグナル
分解シグナル
非分解シグナル
テロメア研究最近の進歩-新しいテロメア測定法- 神森 眞,田久保海誉
テロメア測定法
Southern blot法
Q-FISH(quantitative fluorescence in situ hybridization)
tissue FISH(tissue quantitative fluorescence in situ hybridization)
flow FISH(flow fluorescence in situ hybridization)
テロメア研究の今後の展開
グレリンとソマトポーズ 上野浩晶,中里雅光
GHS-Rの構造と分布
グレリンの発見とその構造
グレリンの分布
グレリンのGH分泌促進作用
グレリンの摂食や体重に対する作用
グレリンの消化管に対する作用
グレリンの心血管系への作用
グレリンの各種疾患や病態との関連
ソマトポーズに対する補充療法
骨・軟骨の再生医療 大庭伸介ほか
従来の医療と再生医療
骨・軟骨再生医療の構成要素
幹細胞
足場
分化誘導因子
老年医学における骨・軟骨再生医療の対象疾患
骨軟骨再生医療への新しいアプローチ
目次
1 TOPICS(老化のモデル動物―最近の研究から;カロリー制限と老化制御;血管石灰化の分子機序 ほか)
2 総説(脳血管性痴呆の病態と治療;医療におけるパターナリズムが正当化される条件;高齢者造血器悪性腫瘍―急性骨髄性白血病を中心に ほか)
3 老年医学の展望(21世紀の緩和医療;アドレノメデュリンと疾患;ユビキチンシグナリングとその生物学的意義;テロメア研究最近の進歩―新しいテロメア測定法;グレリンとソマトポーズ;骨・軟骨の再生医療)
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