出版社内容情報
《内容》 「正常と異常の境界」に位置する神経症性障害、ストレス関連障害は、現代社会において身近な障害であり、身体疾患との鑑別のためにも今日の臨床において必要必携の書。
《目次》
I 総論
1 神経症の歴史 酒井明夫,大塚耕太郎
William Cullen の神経症(neurosis)概念
神経症概念の変化と発展
神経症の亜型と症状の発展
心因反応の概念
操作的診断基準における位置づけ
2 現代社会とストレス関連障害の概念 保坂 隆
神経症性障害の変化
経済的な状況とうつ病・自殺
天災とストレス障害
テロ・事故とストレス障害
インターネットと精神障害
医療の進歩とストレス関連障害
結論
3 神経症性障害で役に立つ心理検査,症状評価 吉邨善孝
心理検査,症状評価について
心理検査
症状評価
特定の神経症性障害を対象にした症状評価
4 鑑別すべき身体疾患 堀川直史,黒澤亜希子,松木秀幸,西村勝治
器質性の不安,抑うつなどを示す身体疾患
神経症性障害の身体症状との鑑別が問題となる身体疾患
診断における全般的な注意事項
II 神経症性障害の治療戦略
1 精神療法の基本 人見一彦
精神療法についての基本的事項
日常臨床に役立つ認知療法のセンス
日本の精神療法
精神療法の本質への問いかけ
2 行動療法の適応と禁忌 飯島幸生
リラクセーション法
エクスポージャー(曝露療法)
3 薬物療法の実際 中嶋義文
適応を選ぶ
処方の開始
処方の維持
有害事象を取り扱う
処方の変更
処方の終結
III 各論:神経症性障害の症状特徴と治療について
1 全般性不安障害 越野好文
全般性不安障害の本態と症状
診断
全般性不安障害の臨床
治療
2 社会恐怖(対人恐怖) 樋山光教
診察のポイント
検査の進め方
診断のポイント
治療のポイント
3 パニック障害・広場恐怖 野田隆政,平林直次
はじめに
パニック障害
治療
4 適応障害 佐伯俊成
はじめに
適応障害の定義
適応障害の臨床的特徴
適応障害の症状と治療
5 強迫性障害の症状特徴と治療
強迫性障害(OCD)の診断と診断上の注意点
強迫症状の特徴および強迫観念と行為との関連
強迫症状の具体例
初診時の典型的臨床像
治療
6 急性ストレス障害 堀 孝文,小西聖子
概念
心的外傷体験
診断
頻度
経過
臨床的特徴
精神病理
治療
7 外傷後ストレス障害 黒木宣夫
外傷後ストレス障害(PTSD)診断に伴う諸問題
日常臨床から刑事訴訟・損害賠償へと発展したPTSD事案
PTSD診断のもとに労災請求された事例
心的外傷体験とPTSD診断のポイント
ストレス反応と心の病気(PTSD以外)
PTSD関連の心理テスト
一般的な治療
おわりに
8 解離性障害 墨岡卓子,古茶大樹
はじめに
解離性障害とは
解離性健忘と解離性遁走
解離性同一性障害(DID)
解離性昏迷,トランスおよび憑依障害,ガンザー症候群
特定不能の解離性障害(DDNOS)
9 転換性障害 太刀川弘和
概念と歴史
病因と疫学
臨床症状と診断
治療と予後
10 心気症 矢部博興
はじめに
歴史
疫学
成因
臨床特徴と鑑別診断
治療と予後
11 身体化障害 山田和男
身体化障害の症状と特徴
身体化障害の治療
12 離人症 広沢正孝
概念と定義
自我障害と解離性障害の視点からみた離人症
治療方法
13 神経衰弱(状態) 篠原 隆
神経衰弱とは
神経衰弱の治療
まとめ
14 物質誘発性不安障害 八田耕太郎
概念
診断基準
鑑別診断と施行すべき検査
治療
予防
15 身体疾患による不安障害 幸田るみ子,大坪天平
はじめに
診断的特徴
関連する一般身体疾患
鑑別診断
治療の原則
SLEに伴う不安障害
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)に伴う不安障害
16 疼痛性障害 向井泰二郎
疼痛の定義と分類
診察のポイント
検査の進め方
治療のポイント
目次
1 総論(神経症の歴史;現代社会とストレス関連障害の概念;神経症性障害で役に立つ心理検査、症状評価;鑑別すべき身体疾患)
2 神経症性障害の治療戦略(精神療法の基本;行動療法の適応と禁忌;薬物療法の実際)
3 各論:神経症性障害の症状特徴と治療について(全般性不安障害;社会恐怖(対人恐怖)
パニック障害・広場恐怖 ほか)
著者等紹介
上島国利[カミジマクニトシ]
昭和大学医学部精神医学教授
保坂隆[ホサカタカシ]
東海大学医学部基盤診療学系教授
市橋秀夫[イチハシヒデオ]
市橋クリニック院長
朝田隆[アサダタカシ]
筑波大学臨床医学系精神医学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。