内容説明
いのちというものを考えさせる文学。秦文学の基軸は、身内観、死生観、そして人間差別への追求である。貰い子の境遇を乗り越える身内論、「生まれた」母に知らぬ間に「死なれた」喪失感が原点である。本書はこの孤立からの葛藤の軌跡を丹念に考察する。
目次
序章 秦恒平の基軸
第1章 作品論三面
第2章 身内論の拡がり
第3章 幻想の血縁
第4章 芸術家を描く
終章 孤立から母の許容へ
著者等紹介
永栄啓伸[ナガエヒロノブ]
1947年2月、和歌山県生まれ。同志社大学文学部卒業後、中央図書出版編集部をへて奈良智辯学園中学・高等学校教諭。近代文学研究家。著書、『評伝 谷崎潤一郎』(和泉書院1997年)第1回大桑文化奨励賞、などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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