内容説明
文学作品は読者によって生きる。本書は、物語の祖で、幼児の絵本・中学高校の古典の教材である『竹取物語』がいつ・どこで誕生したかを踏まえ、その同時代性や社会性を掘り起こした結果から、「菅原道真」こそ作者と想定している。都と鄙“丹後・讃岐”と伊勢をめぐる『竹取物語』の作品世界。
目次
かぐや姫と菅原道真(「ものがたり」の誕生―初めて確立した「もの」の「語り」;作者未詳の意味―説話と違う特定作者の「表現行為」;道真作者説の可能性―主題・モチーフの関係から;成立時期―八七五‐八九〇年を中心にその前後;物語の時代と舞台―今は昔、大和に帝がおられたころ;「竹取の翁」の名前―「讃岐のみやつこ」道真が重要な意味もつ;讃岐守の時代―都を離れ「文学」に力注ぐ道真)
探究ノート 『竹取物語』の時代背景―「享受の精神構造」を掘り起こす(表現素材の系譜論・機能論―『竹取物語』を中心にして;『竹取物語』の月と〓(こう)娥伝説
伏見稲荷の神々と丹後の神々
羽衣伝説と「真名井」の道
地名「間人」について―『はし』という語を中心に
『竹取物語』作者圏と菅原道真)
著者等紹介
糸井通浩[イトイミチヒロ]
1938年京都・嵯峨の生まれ。小・中・高時代、丹後(現京丹後市)で育つ。1961年京都大学文学部卒。日本語学・日本古典文学専攻。国公立の高校教員(国語)、愛媛大学助教授を経て、京都教育大学・龍谷大学名誉教授。この間、在北京日本学研究センター客員教授、京都教育大学附属幼稚園園長、表現学会代表理事、京丹後市史編纂委員、京都地名研究会事務局・副会長など歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 和書
- はじめてのてんきえほん